来週のG20サミットに向けて、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは野田総理大臣宛てに提言書
「2011年G20サミットに向けたセーブ・ザ・チルドレンの政策提言:世界食料安全保障?欠落している要素.pdf」を提出し、飢餓や食料不安の影響を受けやすい脆弱な子どもや家族を守るために、日本政府によるリーダーシップを求めています。
食料価格が再び史上最高値に戻りつつある2011年、世界では食料危機により4,400万人が新たに貧困に陥っています。
とりわけ、東アフリカを襲った今回の危機では、干ばつとも相まって数十万人の人々が餓死の危険に直面しています。ソマリアでは2011年5月から7月までの3か月だけ見ても2万9,000人の5歳未満の子どもたちが亡くなるなど、食料危機による影響は深刻化の一途をたどっており、今こそ食料安全保障と飢餓の撲滅に向けたより一層の取り組みが求められています。
2011年9月の国連総会では、セーブ・ザ・チルドレンを含む国際社会のメンバーが東アフリカのような危機を二度と起こさないための具体的な行動策を「極度の飢餓の終結に向けた憲章」("Never Again: A Charter to End Extreme Hunger")にまとめ、各国首脳に提案しました。この憲章には、食料危機の早期警告に対する初動支援の実施、食料安全保障と農業生産への投資、社会保護政策による貧困層の保護などの提言が含まれています。
また、11月初旬のG20カンヌ・サミットに向けて、議長国のフランスは食料安全保障を再度G20の議題にあげ、G20各国と共に食料価格の安定と農産物の生産高向上に取り組んでいます。
しかし、残念ながらG20によるアプローチは決して十分とは言えず、食料安全保障に不可欠ないくつかの主要な要素が欠けています。
このような状況の中、セーブ・ザ・チルドレンは、長期的な食料安全保障と栄養改善を実現するため、G20サミットにおいて以下の6点が話し合われるよう求めています。
1.「極度の飢餓の終結に向けた憲章」("Never Again: A Charter to End Extreme Hunger")への支持
2.ラクイラ食料安全保障イニシアティブ(AFSI)において公約された資金拠出の速やかな履行
3.AFSIの実行のために設立された世界農業・食料安全保障プログラム(GAFSP)への追加支援
4.食料安全保障と農業を栄養改善と連動させるメカニズム「栄養改善拡充のための枠組み(SUN : Scaling Up Nutrition Framework)」への支持
5.最も支援を必要とする人々に向けて、現金給付を含む社会的セーフティネットの拡充に向けた迅速かつ確実な支援の実施
6.脆弱な人々の危機に対する長期的回復力の構築と包括的成長のための社会保護アプローチを模索するハイレベル会合を2012年にメキシコにて開催
十分に予防可能であった東アフリカでの食料危機。二度とこのような危機を起こさないためにも、今こそ国際社会をあげた取り組みが必要です。
セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、世界の子どもたちのための提言活動を実施していきます。
* G20要望書(和文):2011年G20サミットに向けたセーブ・ザ・チルドレンの政策提言:世界食料安全保障?欠落している要素.pdf
* G20要望書(英文):THE MISSING INGREDIENTS FOR GLOBAL FOOD SECURITY Save the Children's calls to the G20 in 2011.pdf
*憲章(和文):極度の飢餓の終結に向けた憲章.pdf