(公開日:2012.03.07)
「紙から発電?!ソニー・サイエンスプログラム@大槌中学校」(2012.3.7)
- 日本/東日本大震災/教育
2月17日、ソニー株式会社とセーブ・ザ・チルドレンによる協働の東日本復興支援プロジェクト「リスタートジャパン」の支援により、岩手県の大槌町立大槌中学校にて1年生105名を対象に「ソニー・サイエンスプログラム」が行われました。このプログラムは、ソニーが50年以上前から、「未来を拓くカギは“科学技術”であり、科学技術を子どもたちに親しんでもらうことが社会をよくするためには必要」だと考えて、実施されているものです。
今回は、昨年の12月にエコプロダクツ展にて発表されたばかりの最先端技術「紙から発電する“バイオ電池”」について、ソニーの社員有志のエンジニアの方から実験を交えながら教えていただきました。
何が行われるのか緊張した様子で生徒たちは説明を聞いていました。
後ろの方では「紙でどうやって電気ができるんだろう。不思議だね。」と小さな声が聞こえていました。
?段ボール ?雑誌 ?新聞紙 ?普通紙 ?トイレットペーパー
???の異なる種類の紙から一つを選び、選んだ紙を細かくちぎってビンに入れ、そこへ酵素を元気にするために、あらかじめ温めておいた酵素溶液を注ぎます。
その後、液体と紙の入ったビンを温度が下がらないように手で温めながら10分間、シェイク!!
「飛び散ったらどうしよう。」、「これ甘いのかな?」と話しながら、みんなで交代しながらビンを振っているうちにあっという間に10分たってしまいました。
シェイクした溶液をろ過してやさしく絞り抽出します。
「こぼすなよ。」「破けたらどうする?」
慎重に実験は進みます。
バイオ電池(上画像:机上の右側の白く四角い板)に抽出された液体をゆっくりと注ぎます。こぼさないように、少しずつ…みんなで交代しながら注いでいきました。
これで、うまく酵素により紙の成分であるセルロースが分解され、ぶどう糖になっていれば、ぶどう糖と酸素が反応して、電気エネルギーが作られるはず。回路をつなげばプロペラが回るはずです。
「プロペラ回ると思う?」と質問したところ、みんな「絶対回る!」と答えてくれました。
ついにきました、緊張の一瞬…回路をつなぐと…なんと!!プロペラが回る!!
見事に発電できたという証拠です!
どのグループでもうまくプロペラが回り、5種類あったどの紙でも実験は成功しました。
身近にある不要な材料で「電気」を作ることができることがわかり、大槌中学校の生徒のみなさんと一緒に、未来のエネルギーについて考える機会となりました。今後も「リスタートジャパン」では被災地の子どもたちにさまざまな実験や体験を通じ、未来を考える機会づくりをすすめていきます。
紙から発電するバイオ電池
「自分で電力を作ったよ!!」 ソニー・サイエンスプログラム@宮城県石巻市
ソニー・サイエンスプログラム 手作りICレコーダー“でんごんちゃん”で音遊び@岩手県山田町
ソニー・サイエンスプログラム
(報告:遠野事務所 藤原)