【ケニア/スラム】青少年の支援活動を開始予定~ナイロビのスラム~(2012.03.12)

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、昨夏に開始したケニア北東州での干ばつ被災者支援活動に加え、今年夏にはナイロビのスラムで活動を開始すべく、現在、準備中です。


ケニアの首都ナイロビのスラムは、南アフリカ共和国のソウェトに次いで、アフリカ第2の規模と言われています。ナイロビで一番大きなスラムが街の南に広がるキベラ・スラム、二番目が街の東南に位置する工場地帯に隣接するムクル・スラムです。スラムに住む人の数は、実は正確にはわかっていません。一時期、キベラ・スラムには60万人から100万人が住むと言われていましたが、実際はその二分の一から三分の一ではないかと推測されています。ムクル・スラムは10万人から25万人が住むと言われています。ちなみに、ナイロビの人口は約300万人です。



ムクル・スラム(奥に見えているのが工場地帯)

狭い路地。火事が起きるとひとたまりもありません。


生活用水が垂れ流され、ひどく臭う路地


ムクル・スラムは家賃が比較的安く、他のスラムに比べて若者が多く住んでいます。多くの人々は隣接する工場、もしくは男性であれば建設現場の日雇いや警備員、女性であればスラムの南に位置するエステートと呼ばれる住宅街で掃除婦として働き、生計を立てています。一方で、仕事がないため、日中はベースと呼ばれる場所でたむろしている若者も多くいます。エイズ、ドラッグなどの問題も深刻です。


ケニアは今年12月に総選挙を控えています。2007年の選挙の際にはナイロビのスラムやケニア西部で起こった部族間の対立、暴動などによって、1,200人以上が死亡、60万人が国内避難民となり、今回も同様のことが起きるのではないかと懸念されています。前回の暴動では、仕事がなく、居場所がないと感じる多くの若者が暴動に参加したことから、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは総選挙に先駆けて、ムクル・スラムに住む青少年を対象に~平和教育、~ライフ・スキル研修、~青少年のためのリソースセンターの設置を計画しています。これにより、争いごとの平和的解決を促進し、社会から疎外されがちな青少年が建設的に社会と向かい合うためのスキルを身につけ、そして仲間同士、さらには年齢層を超えたネットワーキングによって社会の中でより良く自分を発揮して、建設的な役割を見つけることを目指します。


今後、事業の開始とともに、さらにいろいろとお伝えしていきたいと思います。北東州に引き続き、ナイロビ・スラムでの活動にもご支援のほど宜しくお願い致します。


(報告者:三上恵美子)


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