東日本大震災から1年 ご挨拶(2012/03/12)

東日本大震災で被災した子どもたちのために、多大なご寄付とご支援、ご協力をいただき、心から御礼を申し上げます。

 

震災から1年が経過しました。現地の子どもたちは、はかり知れない苦しみや悲しみを経験してきたにも関わらず、勉強や遊びに生き生きと取り組み、考え、行動する姿を見せてくれます。その瑞々しくもたくましい表情に、スタッフ一同が逆に元気と勇気をもらっています。

 

皆さまにとってもそうであったように、東日本大震災の経験はSCJにとっても大きな転機でした。これまでは海外での子ども支援を中心に活動してきた私たちが、緊急災害において子どもの権利を守る使命のもと、日本国内の緊急救援と復興支援にたずさわることになったからです。

 

私たちは、震災の翌日には活動を開始しました。東京と被災地3県を多数のスタッフが往復し、宮城・岩手には緊急支援の拠点をかまえ、被災地のニーズや声に耳を傾けながら「こどもひろば」を開設していきました。そして新しいスタッフも増え、現地の行政や市民団体とパートナーシップを組みながら、6月からは復興支援を実施しています。

 

私たちの緊急・復興支援には企業とのパートナーシップも不可欠でした。資金や物品、企業が持つノウハウや人的リソースをご提供いただき、協力関係を結んだことが、震災以来の迅速な支援とその規模の拡大につながっています。

また個人の方々からは、ご寄付とともに、温かい励ましの言葉やご要望、貴重なご意見などを多数いただいています。

 

このように、支援活動に関わってくださる全ての方々に支えられながら私たちが今後行いたいのは、国際NGOとして、また行政でも企業でもない市民社会組織として、モノやお金をただ被災地に送るだけではなく、これまでにない発想で、被災地域の子どもたちや周りの大人の方々をエンパワーする活動です。

 

特に力を注ぎたいことは、復興や防災計画に、子どもたちもその当事者としてそのプロセスに参加でき、自分たちの意見を表明できるような社会づくりをサポートすること、また現地のNPOや地域の大人が主役となって、子どもたちの未来と地域の発展にたずさわることができるようサポートすることです。

 

震災から1年という節目に、子どもの権利を守る団体として初心にかえり、行政、企業、地域を結び、国内外から寄せられた期待・要請に応え、そして何より子どもたちとの信頼関係を築きながら支援を続けていく所存です。

 

末筆ではございますが、これからもご支援とご指導をいただきたく、また、共に被災地の子どもたちを見守っていただきたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

理事長 上野昌也
理事・事務局長 渋谷弘延

PAGE TOP

〒101-0047 東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F