「国際体罰反対デー」キャンペーンで400人の署名を集めました。(2012.06.05)

こんにちは。モンゴル事務所の柴田です。今回は、「体罰はやめて!」と願う子どもの声をモンゴル社会に届けようと、4月30日の「国際体罰反対デーSpankout day」に合わせて、キャンペーンを行いましたので、その様子をお知らせします。


 
(参加したスタッフ)


モンゴル事務所では、実際に暴力を受けている子どものまわりの関係者だけではなく、公立学校や幼稚園の先生を中心としたより多くの人々に、「体罰の撲滅とポジティブ・ディシプリンのすすめ」を推進しています。それは「体罰容認」の文化的背景もあって、家庭・学校など多くの場面で子どもへの体罰がみられるからです。今回、「体罰の撲滅」を願う子どもたちの声を代弁するため、署名という形で集め、社会へ発信することにしました。大人へのメッセージは、「体罰に頼らない子育てをしましょう!私たち大人は、子どもにとってかけがえのないお手本になりましょう!」

キャンペーン開始は12時。雲1つない最高の青空の下、大勢の子どもが立ち止まり、我々の呼びかけに賛同し、午後2時までの2時間で、なんと約400人の方が署名をしてくれました。

 


(写真左の2人が署名を呼び掛けるモンゴル人スタッフのウヤンガとオトゴ。中心となって企画してくれました。)


 

(署名をする子どもたち)
 


(「子どもを守ろう!」と叫ぶ子どもたち)


オトゴの話です。「過去に他の組織に所属し、同じような署名活動を企画した時、多くの大人は署名を拒否し話に耳を傾けようとはしませんでした。今年は、多くの大人が足を止め、振り返り、署名をしてくれました。もちろん、多くの子どもたちも署名してくれました。ある1人の女の子が、『自分の両親の名前で署名をしてもよいか』と聞いてきました。きっと、間接的に両親に‘暴力をやめて’と訴えたかったのだと思います。『家に帰って(親の名前で署名をしたことを)親に話す』と言って帰っていきました。また別の女の子は、立ち止まらず署名をしなかった男性を見て、『きっとあの男の人は、自分の子どもに暴力をふるっているんだよ』と話していました。子どもの考える力や洞察力に、本当に驚きました」

この400人の署名活動は、4つのテレビ局によってその日のうちに大きく報道されました。
その1つであるMNC(モンゴル・ニュース・チャネル)のインタビューで、センターチームリーダーのオユンマーは次のように答えています。「体罰によって子どもが良くなったという事例はどこにもありません。自分自身の経験に振り返ってみてください。自分の父親に叩かれたとき、あなたは幸せでしたか?子どもの立場に立って考えてみてください。」
また、1人の女の子は、「私は多くの親に訴えたい、あなたの子どもを叩かないでと。一番あなたを愛してくれるあなたの子どもなのだから。」と答えていました。

このMNCの番組は、以下のHPでご覧になれます。モンゴル語ではありますが、キャンペーンの様子がとてもよくわかります。全部で6分半の動画ですが、このキャンペーンついては、初めの3分のみです。

http://www.mnctv.mn/index.php?option=com_content&task=view&id=1699&Itemid=310


このようなスタッフを総動員してのキャンペーン企画は、ここ最近モンゴル事務所ではありませんでした。久しぶりに、1つの目標に向かってみんなで協力し何かを成し遂げ、私たちもとてもすがすがしい気持ちになりました。
これからもモンゴルの子どもたちの声を、社会に届けるための活動を続けていきたいと思います。


今回のイベントでは、以下のような催しも実施しました。


? 子どもセンターの子どもたちによるサーカスショー




このブログで何度も紹介をしております、センターの子どもたちによるサーカスショーが行われました。ショーの前後は、サーカスの小道具を使って、センターのこどもたちと道行く子どもたちが触れ合う姿も見られました。


? 写真展


 
(写真コンテストに参加した子どもたちのモノクロ写真を撮影するテレビ局。
右のカラー写真はプロのカメラマンによる撮影)
 

(ダバーニャム氏撮影の写真)


2005年から2009年に行われた、子どものための写真講座「フォーカス・オン・キッズ」プロジェクトの1つの活動として開催された「子ども保護を訴える写真コンテスト」で展示されたモノクロ写真20点近くを再度展示しました。このプロジェクトについては、SCJニュースレターNo.52 で紹介されています。また、そのプロジェクトで研修を受けたことがきっかけでプロのカメラマンになったダバーニャム氏と共同で、2009年に開催した写真展「ストップ!子どもへの暴力」のカラー写真など、合計10点、他プロのカメラマンの写真など合計約40点近く展示しました。


? 展示会(Tシャツ展・書籍)
 


(青空にひらひらとなびくTシャツ)


2011年3月10日のブログで「Tシャツアート展」に、センターの子どもたちが参加することを紹介しました。子どもたちの夢を描いたTシャツは、2011年8月に、ウランバートル市内の公園で展示されました。その後、制作者である子どもたちの元に届けられたのですが、今回、再度展示することにしました。


(報告:モンゴル事務所 柴田)

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