グローバルキャンペーン「EVERY ONE」
5歳の誕生日を、子どもたちに!
EVERY ONEって?
現在、年間約700万人の5歳未満の子どもたちが予防可能な病気で命を落としています。
2000年9月の国連ミレニアム・サミットにおいて、2015年までに国際社会が達成すべき8つの具体的目標として、国連ミレニアム開発目標(MDG)が合意されました。その4番目の目標(MDG4)は、5歳未満児の死亡率を1990年の3分の1に削減することを掲げています。
1990年に年間1,200万人の子どもたちが亡くなっていた状況に比べると、大きな進捗が見られるものの、最も貧しく弱い立場に置かれた子どもたちが取り残され、格差が拡がっています。未だに何百万人もの子どもと母親が基礎的な保健医療を受けることができません。
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが予防可能な病気で亡くなることのない世界の実現を目指し、グローバル・キャンペーン「EVERY ONE」を展開しています。
〈セーブ・ザ・チルドレンの目標〉
セーブ・ザ・チルドレンは、MDG4達成のため、すべての子どもが基礎的な保健医療サービスを受け、成長に必要な栄養を摂取できるよう、各国政府や国際機関に対して働きかけます。また、セーブ・ザ・チルドレンは2015年までに1,500万人の子どもの命を守れるよう、以下の目標を掲げます:
- 毎年5,000万人の子どもたちとその母親を対象に、母子保健と栄養プログラムを実施します。
- 40万人のヘルスワーカーを育成します。
- 20億ドルの資金を獲得し、母子保健と栄養プログラムへの年間投入額を2.5億ドルから5億ドルに増やします。
〈キャンペーン名「EVERY ONE」に込められた思い〉
- すべての子どもたちの価値:
すべての子どもたちが生きる権利、健やかに成長する権利を持っています。 - みんなの力:
セーブ・ザ・チルドレンの全スタッフ、そして、すべての人の力が集まれば、子どもたちの命を救うことができます。
子どもたちは、今。
〈子どもたちの状況〉
1年間で:
- 300万人−生まれてから1ヶ月未満で命を落としている子どもの数
- 690万人−5歳の誕生日を迎える前に命を落としている子どもの数
毎日19,000人の子どもたちが命を落としています。
また、子どもたちだけでなく、毎年約29万人もの女性が妊娠や出産に伴うトラブルで亡くなっています。
【母の日レポート2012】母親になるのにベストな国ランキング
守りたい。
〈なぜ子どもが亡くなっているの?〉
多くの子どもたちが命を落とす要因は、以下の3つの段階で説明することができます:
- 直接的な原因:
出産後のトラブル、肺炎、下痢、マラリア、HIV/AIDS、はしかなど - 間接的な原因:
脆弱な保健システム、母親と子どもの栄養不良、清潔な水へのアクセスがない、衛生状態の悪さ、女子教育の欠如、家族計画へのアクセスがない、若年での妊娠など - 根本的な原因:
貧困、不平等、差別、ガバナンスの欠如、脆弱な国家、紛争、気候変動、自然災害、世界の政治経済の状況など
〈子どもたちはどこで亡くなっているの?〉
世界の5歳未満児の年間死亡数の約半分が、わずか5カ国ーインド、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、パキスタン、中国ーで起きています。特にインドは、世界の子どもの年間死亡数の約4分の1を占めています、また、乳幼児死亡率が高いのはサハラ以南アフリカで、9人に1人の子どもが5歳未満で亡くなっています。
EVERY ONEキャンペーンでセーブ・ザ・チルドレンが特に重点を置くのは、乳幼児死亡数・死亡率の高い以下の国です:
【アジア】
アフガニスタン、バングラデシュ、インド、インドネシア、パキスタン
【アフリカ】
エチオピア、ケニア、ナイジェリア、シエラレオネ
守れる。
〈低コストで確実な方法で〉
- 出産直後のトラブルは、妊娠している母親を定期的に診断すること、出産時に助産師が介助することで、防ぐことができます。
- 肺炎は、安い抗生物質で治療可能です。
- 下痢は、経口補水塩で治療できます。
- マラリアは、殺虫作用のある蚊帳で防ぎ、マラリア用の治療薬で治すことができます。
- HIV/AIDSは、母子感染の危険を削減する抗レトロウィルス療法を通して予防、治療することができます。
- はしかは、予防接種で防ぐことができます。
- 子どもの死亡の間接的原因の3分の1を占める栄養不良は、生後6か月までの完全母乳育児や6ヵ月以降の離乳食指導で防ぐことができます。鉄や葉酸、ビタミンA、亜鉛補給も子どもの死亡率を低下させます。
人材も。
〈コミュニティ・ヘルスワーカーの役割〉
子どもと母親の身近に寄り添い、地域で活動するコミュニティ・ヘルスワーカーを育成し、貧しい家庭が健康的な生活を送り、必要なアドバイスやケアが受けられるようサポートします:
- 産前・産後のケア
- 衛生教育
- ワクチン接種
- 一般的な子どもの病気の診察と治療
- 低コストの医療サービス提供
- 重症なケースの医療機関への照会
- 完全母乳育児・離乳食の指導
みんなで。
〈MDG4の達成にむけて〉
各国政府とパートナーが強い政治的意思とコミットメントをもって取り組めば、2015年の期限までに、MDG4の達成は可能です。毎年何百万人もの子どもと母親が予防可能な原因でなくなっているという事実に対し、世界中の人々がそれを許さない姿勢を示す必要があります。
私たちは、すべての子どもと母親の命を守るために、政府、国際機関、財団、企業、個人、「みんな」の参加を呼びかけています。