セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、国連子どもの権利条約に定める子どもの権利の実現を目指す団体として、財団法人日本ユニセフ協会の「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンの趣旨に基本的に賛同し、その賛同団体となっております。
上記キャンペーンにおける財団法人日本ユニセフ協会の主張は以下の4点です(注1)。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、上記主張を基本的に支持すると同時に、以下の見解をセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン独自のものとして公にいたします。
これに関連して、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは今年6月17日に国連人権理事会において国連子どもの権利委員会に対する個人通報を可能とする選択議定書策定のための作業部会設置決議が採択されたことを歓迎すると同時に、日本政府が同議定書の早期策定に向けて積極的な貢献をすることを強く求めたいと思います。
森田明彦 シニア・アドバイザー/セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(東京工業大学特任教授)
電子メール morita@savechildren.or.jp
(注1)財団法人日本ユニセフ協会による「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンについては、以下のURLを参照ください。
http://www.unicef.or.jp/special/0705/index.html
(注 2)2000年5月25日に国連総会で採択された「子どもの売買、子ども売買春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書」(日本政府は2002年5月10日に署名、2004年8月2日に批准)は、同第2条(c)項で、子どもポルノを以下の通り定義しています。
「子どもポルノグラフィーとは、実際のまたはそのように装ったあからさまな性的活動に従事する子どもをいかなる手段によるかは問わず描いたあらゆる表現、または子どもの性的部位を描いたあらゆる表現であって、その主たる特徴が性的な目的による描写であるものを意味する」。
その上で、同議定書第3条第1項は、「各締約国は、最低限、次の行為および活動が、このような犯罪が国内でもしくは国境を越えてまたは個人的にもしくは組織的に行なわれるかを問わず、自国の刑法において全面的に対象とされることを確保する」と定め、子どもポルノに関しては、同条1項(c)で、「第2条(c) で定義された子どもポルノグラフィーを製造し、流通させ、配布し、輸入し、輸出し、提供し、販売し、または上記の目的で所持すること」と定めています。
つまり、同議定書では、最低限、子どもポルノグラフィーを製造し、流通させ、配布し、輸入し、輸出し、提供し、販売し、または上記の目的で所持することを取り締まることを求めているのです。 さらに、国連子どもの権利委員会は、チリ政府およびコスタリカ政府の政府報告書に対する最終意見において、子どもポルノの単純所持も禁止することを求めています。
UN Committee on the Rights of the Child, Consideration of Reports submitted by States Parties under the OPSC, Concluding Observations on the Chile, op.cit.,paras 23-24 and on Costa Rica, op.cit.,paras 14-15 and 24-25.