母子の命を救うカギを握るG8に期待 (2010.06.25)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)は、本日からカナダで開催される、主要国首脳会議(G8サミット)が、子どもと妊産婦の死亡を劇的に削減する機会となるよう、世界のリーダーの確固たるコミットメントを求めます。
「G8サミットで母子保健が議題にあがるのは今回が初めてで、世界は高い期待を寄せています。G8首脳がコミットメントと追加資金により強いリーダーシップを示せば、何百万人もの赤ちゃん、子どもたち、母親を救うことができます。」(SCJ事務局長 渋谷弘延)
毎年、約900万人の子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に肺炎、下痢、マラリアや出産直後の感染症などで亡くなっており、約35万人の女性が妊娠や出産に伴うトラブルで亡くなっています。基本的な予防医療、安価な治療、出産時の専門的介助があれば、これら多くの命は救えます。G8が経済再建だけでなく、母子保健に関してもっと大胆なアクションを起こさなければ、世界経済の成長は見込めず、社会的コストは増大し、不況は長引くでしょう。G8に続くG20の参加国も、経済的な豊かさと影響力の向上には、開発支援への責任が伴うことを認識するべきです。
今回のG8首脳声明で、妊産婦と子どもの死亡率削減に対する強いコミットメントが打ち出されることにより、9月に開催される国連ミレニアム開発目標サミットへの機運が高まることが期待できます。
SCJは、日本のリーダーシップと国際的機運の盛り上げへの貢献を求めて、6月17日に菅直人内閣総理大臣宛てに要望書と政策提言を提出しています。
【G8首脳に対する要望】
−母子保健の二国間援助を40億ドルに倍増 これにより、乳幼児死亡の99%が起きている開発途上国の100万人の子どもと20万人の母親が毎年救われます。
−開発途上国の国家保健計画をサポート
母子保健への取り組みと保健システム強化の支援が必要とされています。
−助産師や地域ヘルスワーカーなど、現場で働く医療従事者の育成費用の拠出
母子の命を救う医療のために、最も費用対効果の高い投資とされています。子どもと妊産婦の死亡 率の大幅削減を含む保健分野の国連ミレニアム開発目標達成のためには、開発途上国であと430 万人のヘルスワーカーが必要とされています。
−平等性の優先
最も貧しく、社会的に弱い立場に置かれた人たちが直面する栄養不良などの問題に優先的に取り 組む必要があります。
−貧困国において、死亡率削減進捗の妨げとなっている問題への取り組み
−開発途上国および援助国の強固なアカウンタビリティの仕組みの構築
セーブ・ザ・チルドレンは、妊産婦と子どもの死亡率削減のためのグローバルキャンペーン 「EVERY ONE」を展開しています。