【MDGsサミット閉幕】約束を果たすための強い政治意志を期待(10.09.24)

サミット閉幕にあたりセーブ・ザ・チルドレンの見解
約束を果たすための強い政治意志を期待


9月22日、ニューヨークで開催されたミレニアム開発目標(MDGs)サミットにおいて、国連の潘基文事務総長は、「女性と子どもの保健のための世界規模戦略」を発表し、2015年までの目標達成が特に危ぶまれる母子保健分野を強化することを明らかにしました。

また、日本の菅直人首相は、22日に国連本会議で行った演説で、母子保健を中心とした保健関連のMDGs達成への貢献のため、2011年から5年の間に50億ドル(約4200億円)を拠出することを約束しました。これにはG8ムスコカサミットにおいて約束した乳幼児と妊産婦の保健支援のための最高5億ドル(約420億円)の追加資金拠出額が含まれます。日本政府は妊娠期から産後まで一貫したケアを母親と子どもが受けられるための施策を実行するとともに、国際社会、各国政府に対しても取り組みを行うよう呼びかけました。

セーブ・ザ・チルドレンのインターナショナル事務局長ジャスミン・ウィットブレッドは、サミット閉幕にあたり次のように見解を示しています。
「潘基文事務総長が乳幼児と妊産婦の死亡率削減を今回のサミットの最も重要な議題としてあげたことを評価します。22日に発表された戦略には400億ドル(約3兆3,600億円)の拠出が約束されています。しかしながら、その内訳の詳細や、約束を守らなかった政府がどのように責任をとることになるかは明らかになっていません。
今回の約束により、国際社会は今後5年間に向けたスタートをきりました。しかし、これを成し遂げようという強い政治意志がなければ目標の達成は叶わないでしょう。このサミットにおいて、多くの主要国よりその責任を果たすレベルのコミットメントが示されなかったことは残念です。世界の指導者は今こそ約束を実行に移さなければなりません。子どもたちの命を守るために、先進国、開発途上国を問わず、サミットに参加した指導者一人一人が迅速な施策の実行と資金拠出の約束を果たす必要があるのです。
本サミットでなされた約束は、開催にあたり世界の指導者に行動を求めた何百万人もの人びとの力によりもたらされたものです。声をあげた人びとはこのことを誇りに思ってよいでしょう。同時に、私たちには、すべての母親と子どもたちのために今回の約束を確実に成果へとつなげる責任があることを忘れてはいけません。」

セーブ・ザ・チルドレンは今後5年間のうちに、一般寄付額1.5億円を含む5億ドル(約420億円)を活用し、MDG4(乳幼児死亡率削減)達成に向けた政策提言、重点国12カ国における乳幼児を守るための保健システムの向上支援、40万人の医療従事者の育成、市民社会と連携した政府に対する説明責任の要求、パートナーとの連携による子どもたちの救命事業など様々な取り組みを行っていきます。特に政策提言においては、富裕層と貧困層間にある死亡率の不均衡が是正され、最も支援が必要な層にとって公平性が担保された施策が実行されることを焦点に働きかけていきます。

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