東日本大震災【第9報】地震から1カ月、「こどもひろば」のべ1,700人の子どもが参加(2011.04.11)
観測史上最悪のM9.0を記録した東日本大震災から1カ月が経とうとしている現在、死者行方不明者は2万7千人にのぼります。441名(大学生も含む)の子どもたちが命を落し、約540人(大学生も含む)の子どもがいまだ行方不明です(文部科学省発表)。7日には震災後最大の余震も発生する中、生活の環境が多く変えられてしまった子どもたちのことを懸念しています。
セーブ・ザ・チルドレンでは、地震発生直後に緊急チームを編成し現地へ調査に入り、5日後には、最初の「こどもひろば」を仙台市内の避難所に開設しました。以来、調査と並行して「こどもひろば」を宮城県と岩手県にのべ19カ所展開し(3カ所はすでに閉鎖)、延べ約1,700人の子どもたちが「こどもひろば」に参加しています。
「こどもひろば」は、こどもたちが安心して安全に遊べる場所を提供することで、子どもたちが同世代の子どもたちと触れ合い、震災前の日常を取り戻してもらうことを目的としています。セーブ・ザ・チルドレンは、これまでに世界中の緊急支援時に「こどもひろば」を立ち上げてきた実績があり、今回の震災でも子どものケアに大いに貢献することを期待しています。
また、子どものケアと並行して緊急物資の配布を行ってきました。これまでに、衛生キット(バスタオル、フェイスタオル、洗濯洗剤、ハブラシ、歯磨き、石鹸、下着)140セットを宮城県東松島市の小学校と中学校で配布しました。また、今後の学校再開に向けて、500のスクールキット(ランドセル、文具セット)を仙台に搬入、震災ですべてを失ってしまった小学生を対象に、近日中に配布できる準備を整えました。さらに、5000の文具セットの配布準備を進めています。
「災害に見舞われた直後、われわれの活動が焦点と定めたのは、子どもたちとその家族の社会心理ケアです。NGO団体らしい機動性と地球規模の知見が、今回の支援活動にはダイレクトに生かされている。必要不可欠な物資の支援においても、「こどもひろば」にしても、その目的は常に、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」の実現。そのためには、大人も含めた地域社会全体が長いスパンで取り組んでいく仕組みづくりも重要です。また、行政とNGOとの協働による、復興以上を目指した、社会を変えていく働きかけにも、より一層傾注していきたい。」
(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 渋谷弘延事務局長)
今回の大震災の復興には、膨大な時間と支援が必要とされます。セーブ・ザ・チルドレンでは、3カ年計画で復興支援に取り組みます。今後、被災した子どもたちの保護と教育に重点を置き、その家族や保護者の支援、コミュニティとも協働しながら中長期にわたり支援を行っていきます。また、今回の「こどもひろば」の実績を生かしてアドボカシー活動を展開し、今後の防災基本計画・災害対策に子どもケアとして「こどもひろば」が組み込まれていくよう働きかけをしていきます。
写真撮影:ZETS/Save the Children Japan