【EVERY ONE】ヘルスワーカー指標 (Health Worker Index) を発表! 〜日本は50位、G8中最下位〜 (2011.09.06)

セーブ・ザ・チルドレンは、新たな指標として「ヘルスワーカー指標 (Health Worker Index)」を発表し、子どもが病気の際に最も適切な対応を受けられる国、受けられない国をランキングで示しました。この指標は、ヘルスワーカー(医師、看護師、助産師)へのアクセスの難易度を総合的に評価したもので、(1)人口1,000人あたりのヘルスワーカー数(医師+看護師・助産師)、(2)子どもの三種混合ワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風)の接種率、(3)専門家による出産介助率をもとに各国のランキングを出しています。161か国中、トップはスイス、最下位はチャドで、日本は50位でした。

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今回の発表では、イギリスが14位、アメリカが15位にランキングされており、日本はG8の中で最下位、OECD諸国の中でも下位に位置します。上位にランキングされている国のあいだでは、ワクチン接種率と出産時の介助率に大差はなく、ヘルスワーカー数がランキングと比例している傾向にあります。特に決め手となるのが看護師と助産師の数。例えばスイスでは人口1,000人あたり15.96人の看護師と助産師がいるのに対し、日本はわずか4.14人しかいません。アメリカでは9.82人、イギリスは10.30人、フランスは8.94人の看護師と助産師がおり、この数値を見ても日本における看護師と助産師の不足は明らかです。

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一方で、人口1,000人あたりのヘルスワーカーが1人未満の国もあり、その多くがアフリカ地域に存在しています。特に深刻なのが、現在、人道危機に直面している東アフリカ地域。同地域のエチオピアとソマリアはワースト5に入っており、ヘルスワーカー不足は深刻です。ヘルスワーカーがいなければ、子どもたちはワクチンを受けることもできず、また、病気にかかっても適切な治療を受けることもできないため、下痢や肺炎などの比較的容易に治療できる病気でも、死につながるケースが多くあるのです。

ヘルスワーカーの存在は子どもの生存率と深く関わっています。例えば、バングラデシュとネパールではコミュニティ・ヘルスワーカーの育成に適切な資金投入をした結果、国連ミレニアム開発目標(MDGs)の4番目の目標である「乳幼児死亡率の削減」に大きく寄与し、子どもの死亡率をかつての3分の1まで削減することができたのです。                                                                                        

子どもたちがどの国で生まれるかによって、その生死が分けられてしまう現状は変えなければなりません。現在、世界では350万人のヘルスワーカーが不足しています。セーブ・ザ・チルドレンは920日に開催される国連総会で、ヘルスワーカー不足の問題に焦点を当て、各国政府がヘルスワーカーの拡充についての明確なコミットメントを示すよう働きかけています。

* ヘルスワーカー指標 (Health Worker Index) の詳細はHealthWorkerIndex.pdfをご参照ください。(英文のみ)

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写真提供: Save the Children 


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