ハイチ地震から1年〜子どもたちの明るい未来のために(11.01.11)
昨年1月13日(現地時間12日)に発生したハイチ地震から1年―。
セーブ・ザ・チルドレンでは、被災直後からこれまでに、およそ87万人(うち50万人が子ども)に、保健・栄養、教育、シェルター、水・衛生、子どもの保護などの分野で包括的な支援を届けてきました。また、昨年10月に発生したコレラの影響から子どもたちを守るべく、感染者への治療と同時に、医療物資の配布や教育等を通じたコレラの抑制・予防キャンペーンも展開しています。
支援活動の努力により、ハイチの人々の清潔な水や医療サービスへのアクセスは震災前よりも改善され、かつてない数の子どもたちが学校に通えるようになっています。しかしながら、キャンプ生活を送る被災者はいまだに100万人を超え、また、コレラの影響によって、当初の想定を上回る額の資金や努力が必要となっています。
復興への取り組みは始まったばかりです。ハイチ政府の対応能力の拡大、土地の所有権にまつわる複雑な問題、低い就学率、高い子どもの死亡率、保健衛生インフラの欠如、西半球で最悪の貧困率など、地震以前からハイチが抱えている課題を改善しなければ、真の意味で、子どもたちに明るい未来は訪れません。SCはハイチの復興に向けた5カ年計画を策定しており、今後も長期的に活動を続けていくと同時に、国際社会が今後も支援を継続し、次期ハイチ政府および市民社会と協力しながら課題改善に取り組んでいくよう訴えかけていきます。
【SCのこれまでの支援】
日本の皆様からの約4,000万円を含め世界全体で約70億円のご寄付をいただきました。これまでにおよそ87万人の被災者に対して主に以下の支援を実施しています。
保健・栄養:80の医療施設を修復・開設。23万人の女性と子どもに対して栄養事業を実施。
教育:支援対象校270校以上。45,000人の子どもたちに復学支援。2,300人の教員に対し防災研修を実施。
子どもの保護:50のチャイルド・フレンドリー・スペース(安全な子どもの遊び場)を設置。1,135人の子どもの家族との再会支援。
シェルター:仮設住居の建設や生活環境改善のためのツールキットを提供。
水・衛生:およそ35万人に対して水・衛生事業を実施。※コレラ発生に伴い支援を拡充。
食糧・生計:およそ30万人に対して食糧を配布。農業や漁業、小規模の商いを営む家庭を中心に生計支援を実施。
【首都ポルトープランスのキャンプで暮らすアンドリーズ(10歳)のケース】
昨年10月に復学したアンドリーズは新しいピンクの制服を見せながら、学校に戻れることの喜びを語りました。
「理科が好きなの。私の夢は医者になること。みんなの命を救うことができるから!今は一生懸命勉強していて、算数も好きよ。」
しかし、現在の生活には不安を隠せません。アンドリーズの家は地震で破壊されました。母親と暮らしているテントは雨にさらされ、近くにはゴミが散乱しています。
「キャンプ生活にはなじめないの。だっていつも何か大変なことが起きているから。例えば、雨が降って雷が私の頭のすぐ上で轟いたりする。とても怖いです。テントでの生活は普通じゃない。泥棒がいるから寝る時も怖いです。テントじゃなくて家で暮らしたい。地震で壊れていない家で。」
アンドリーズの母・ヴァレリー(30歳、下写真右)は次のように語ります。
「地震直後は寄付をもらえたけれど、ずいぶん前にそういったことはなくなりました。私はいまだに仕事が見つからず、夫の少しの稼ぎに頼っています。私たちが暮らすキャンプは衛生的とはいえません。トイレはひどい臭いを放っています。ねずみもたくさん走りまわっているでしょう。この場所が私たちの健康に良いわけがありません。アンドリーズの医者になる夢をかなえるため、私は彼女にきちんとした教育を受けさせたいです。そのために精一杯努力するつもりです。」
セーブ・ザ・チルドレンでは、被災直後からこれまでに、およそ87万人(うち50万人が子ども)に、保健・栄養、教育、シェルター、水・衛生、子どもの保護などの分野で包括的な支援を届けてきました。また、昨年10月に発生したコレラの影響から子どもたちを守るべく、感染者への治療と同時に、医療物資の配布や教育等を通じたコレラの抑制・予防キャンペーンも展開しています。
「学校に行くのがとても楽しいわ。友達と会えるし、好きな勉強もできるから。学校で病気を防ぐための手洗いの方法や地震が起きたときの逃げ方について勉強したの。いろいろなことを学ぶと、とても安心できるんです。」 (地震で姉妹といとこを亡くしたローズ・10歳、昨年8月にレオガンに建設した学校にて)
支援活動の努力により、ハイチの人々の清潔な水や医療サービスへのアクセスは震災前よりも改善され、かつてない数の子どもたちが学校に通えるようになっています。しかしながら、キャンプ生活を送る被災者はいまだに100万人を超え、また、コレラの影響によって、当初の想定を上回る額の資金や努力が必要となっています。
復興への取り組みは始まったばかりです。ハイチ政府の対応能力の拡大、土地の所有権にまつわる複雑な問題、低い就学率、高い子どもの死亡率、保健衛生インフラの欠如、西半球で最悪の貧困率など、地震以前からハイチが抱えている課題を改善しなければ、真の意味で、子どもたちに明るい未来は訪れません。SCはハイチの復興に向けた5カ年計画を策定しており、今後も長期的に活動を続けていくと同時に、国際社会が今後も支援を継続し、次期ハイチ政府および市民社会と協力しながら課題改善に取り組んでいくよう訴えかけていきます。
【SCのこれまでの支援】
日本の皆様からの約4,000万円を含め世界全体で約70億円のご寄付をいただきました。これまでにおよそ87万人の被災者に対して主に以下の支援を実施しています。
保健・栄養:80の医療施設を修復・開設。23万人の女性と子どもに対して栄養事業を実施。
教育:支援対象校270校以上。45,000人の子どもたちに復学支援。2,300人の教員に対し防災研修を実施。
子どもの保護:50のチャイルド・フレンドリー・スペース(安全な子どもの遊び場)を設置。1,135人の子どもの家族との再会支援。
シェルター:仮設住居の建設や生活環境改善のためのツールキットを提供。
水・衛生:およそ35万人に対して水・衛生事業を実施。※コレラ発生に伴い支援を拡充。
食糧・生計:およそ30万人に対して食糧を配布。農業や漁業、小規模の商いを営む家庭を中心に生計支援を実施。
【首都ポルトープランスのキャンプで暮らすアンドリーズ(10歳)のケース】
昨年10月に復学したアンドリーズは新しいピンクの制服を見せながら、学校に戻れることの喜びを語りました。
「理科が好きなの。私の夢は医者になること。みんなの命を救うことができるから!今は一生懸命勉強していて、算数も好きよ。」
しかし、現在の生活には不安を隠せません。アンドリーズの家は地震で破壊されました。母親と暮らしているテントは雨にさらされ、近くにはゴミが散乱しています。
「キャンプ生活にはなじめないの。だっていつも何か大変なことが起きているから。例えば、雨が降って雷が私の頭のすぐ上で轟いたりする。とても怖いです。テントでの生活は普通じゃない。泥棒がいるから寝る時も怖いです。テントじゃなくて家で暮らしたい。地震で壊れていない家で。」
学校で熱心に勉強するアンドリーズ
アンドリーズの母・ヴァレリー(30歳、下写真右)は次のように語ります。
「地震直後は寄付をもらえたけれど、ずいぶん前にそういったことはなくなりました。私はいまだに仕事が見つからず、夫の少しの稼ぎに頼っています。私たちが暮らすキャンプは衛生的とはいえません。トイレはひどい臭いを放っています。ねずみもたくさん走りまわっているでしょう。この場所が私たちの健康に良いわけがありません。アンドリーズの医者になる夢をかなえるため、私は彼女にきちんとした教育を受けさせたいです。そのために精一杯努力するつもりです。」
写真:?Susan Warner / Save the Children