【東アフリカ】干ばつ被災者に安全な水を 〜ケニア北東州において水・衛生事業を実施〜 (2011.11.09)
子ども支援の国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:上野昌也/理事・事務局長:渋谷弘延)は、東アフリカ干ばつ被災者支援として、2011年10月1日よりケニア北東州において水・衛生事業を実施しています。
ケニアを含む東アフリカ地域では今夏、2年連続の雨不足により過去60年で最悪ともいわれる干ばつが発生し、1,300万人以上が影響を受けています。水不足による作物の収穫不良や家畜生産の停滞が原因で収入は減る一方、食料価格の高騰は著しく、不安定な食料供給とも相まって人々の栄養状態は悪化しています。一方で、現地では10月中旬より降雨が始まり例年通りの降水量が見込まれることから、降雨の有効活用を進める支援が求められています。今回事業を実施するケニア北東州ハバスウェイン県、ワジール南県は、地下水が蓄えられている帯水層が地表から深くにあり、井戸建設による水の確保が困難な地域です。人々は地面の水たまりから泥水を汲んで利用することもあり、恵みの雨を清潔に貯水する仕組みがなければ、安全な水へのアクセスを確保することができません。
このような状況の下、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは現地に日本人職員を派遣し、ジャパン・プラットフォーム(JPF)から約1,800万円の助成を受けて水・衛生事業を実施しています。本支援では、支援が届きにくいハバスウェイン県、ワジール南県の栄養事業に登録している子どもや妊産婦がいる約3,700世帯を対象に、雨水の貯水容器、水の浄化剤および石鹸等の配布を行うほか、小学校および診療所において雨樋と貯水タンクを設置します。また、餓死したまま放置されている家畜の死骸が水を汚染することがないよう、清掃道具一式を配布する予定です。本支援により、住民が清潔で安全な水にアクセスできるようになるだけでなく、栄養食や給食を安全な水で調理できるようになることで、子どもたちの栄養状態の改善や子どもにやさしい学習環境の整備に貢献することも期待されています。
<事業概要>
◆支援地: ケニア北東州ハバスウェイン県およびワジール南県
◆実施期間: 2011年10月1日〜2011年11月30日
◆予算規模: 約1,800万円(一部ジャパン・プラットフォームからの助成金)
◆対象人数: 雨水貯水設備の設置と家庭用貯水容器の配布:約38,600人、死骸除去道具の配布:4地域(住民約39,000人)
◆主な内容: 雨水の貯水設備の設置、家庭用貯水容器および動物の死骸除去道具の配布
【活動内容詳細】
活動1 診療所および小学校における雨水の貯水設備の設置
診療所2カ所(住人約14,000人)、小学校14校(生徒約2,600人)を対象に、今後の雨期にも使用できる恒久的な貯水設備を設置します。全診療所および小学校に雨樋を設置し、各診療所に5,000L、各小学校に10,000Lの貯水タンクを設置します。
活動2 家庭用貯水備品の配布
3,700世帯(約22,000人)を対象に、各家庭につき50Lの貯水容器、20Lのバケツ、および浄化剤を配布します。20Lのバケツに入れた雨水を浄化剤で浄化した後、50Lの貯水容器で保管します。また、洗剤石鹸および手洗い用石鹸を配布します。
活動3 水・衛生関連備品の配布
水の汚染源にもなりかねない餓死した動物を清掃するための道具として、4診療所(約39,000人)を対象に一輪車、シャベル、熊手、なた等を配布します。3,700世帯(約22,000人)を対象に、各家庭につき50Lの貯水容器、20Lのバケツ、および浄化剤を配布します。20Lのバケツに入れた雨水を浄化剤で浄化した後、50Lの貯水容器で保管します。また、洗剤石鹸および手洗い用石鹸を配布します。
写真:2人の幼い子どもを育てるノウリアさん。子どもの健康を守るためにも清潔で安全な水は不可欠。
(c) Tiggy Ridley / Save the Children