「爆弾よりも本を!」 −バーミヤンにおける移動式図書箱の配布
山岳農村地帯バーミヤンには、図書室を備えた学校は稀で、子どもたちが楽しめるような読書本や絵本はまだまだ普及していません。セーブ・ザ・チルドレンはバーミヤン中央郡の公立学校9校に移動式図書箱26箱を届けることにしました。首都カブールで小・中・高向けの読書本や絵本、英語教材、歴史の本など計5,200冊を調達し、2010年4月それぞれの学校に配布を終了しました。
真新しい絵本がバーミヤンの子どもたちの手元に届きました
学校に本を届けたとき、真新しい本を手に取り、食い入るように本を読む子どもたちがたくさんいました。
(写真左) 「16冊の本を読んだよ。建物やエンジニアの話がお気に入り。読書はいろいろな情報を学ぶことができるから面白い。家で弟や妹たちにも本を読んであげている」カルワナ(12) サイダバッド女子学校6年生
(写真右)「自分で本を読めるようになってきたから勉強も楽しくなってきた。」特に物語を読むのが大好き。もっともっと物語の本を読みたい」
ファフィマ(11) サイダバッド女子学校6年生
「これまで5冊の本を借りて読んだ。夕食後が私の読書の時間。物語は読むのは楽しいし、ダリ語の勉強にも役立つ。これからもいっぱい本を読んで勉強して、将来はバーミヤンの人たちのためにお医者さんになりたい。」 ナズィア(12) サイダバッド女子学校6年生
また、図書の貸し出しや図書箱の管理は生徒自らが担っています。図書係となった生徒たちは読書の楽しさ、大切さを学び、他の生徒たちが読書を楽しんでいる様子に係としてやりがいを感じているようです。
図書の貸し出しを管理するための記録ノート
「図書係として、年下の生徒たちが読書を好きになってくれることがとってもうれしい。既に150人の生徒が図書を借りに来た。特に小学校4年生から6年生の子どもたちが多い。活字を読んだり、ダリ語の勉強の良い練習になっている。」 マスマ(16) サイダバッド女子学校11年生
「これまで200人の生徒が本を借りに来た。借りに来る生徒は3年生から8年生が多い。これまで読書本なんて簡単に手に入らなかったから、みんな読書をとっても楽しんでいる様子。私も読書が好き。家で本を読んでいると、家族も興味津々。家族で一緒に本を読む場合もある。親も兄弟も本を借りたいって言っているわ。」 マニジャ(18)ハイダラバッド学校12年生
図書箱を配布することによって11,000人の子どもたちが新しい図書・絵本を読むことが出来るようになり、読み書き学習の副教材や読書本として毎日利用できるようになりました。子どもたちは、借りた本で読み書きの練習をしたり、家に持ち帰って親や兄弟に読み聞かせをしたり、海外の世界や自然界の仕組みに興味を持ち、将来の夢を描いたりと、読書を通してぐんぐんと成長しています。