四川大地震 災害を超えて(09.10.15)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、2008年5月に発生した四川大地震において皆様からのご寄付とジャパン・プラットフォームの助成により、子どもたちの心のケアに関する支援事業を行ってきましたが、2009年8月をもちまして同事業を終了いたしました。
およそ1年にわたる支援活動の概要を報告いたします。
(C)Save the Children
<セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの支援事業(概要)>
2008年9月〜10月
2回にわたり現地調査を実施。
震災の影響で親元から離れ集団避難生活を送った子どもたちの精神的なダメージを軽減することを目的とした事業を行うことを決定。
2008年12月〜2009年8月
志茂雅子スタッフが現地に駐在。
特定非営利法人ジャパン・プラットフォームの助成により事業を実施。
[主な事業内容]
1.子どもに対する研修
集団避難生活を経験した子どもたちは、震災による心のダメージに加え、親元から離れたことによる精神的なストレスを抱えています。これらのストレスを軽減することを目的に、子どもたちへの研修では、お絵かきや絵本の読み聞かせ、心と体をときほぐす体操方法の伝授を行いました。
子どもたちからこぼれる笑顔が印象的
震災の影響で感情を表現することを困難に感じている子どもたちにとって、お絵かきや絵本の読み聞かせは自分の気持ちを表現する手段となります。参加した子どもたちの中には、「楽しかった、またぜひやってほしい」「たくさんのお兄さん、お姉さんが私たちのために来てくれてうれしかった。私も大きくなったら人を支えるような仕事をしたい」といった感想が飛び出しました。
2.大人に対する研修
参加者はみんな真剣な面持ち
子どもたちが安心して震災後の生活になじんでいくためには、子どもを取り巻く大人のサポートが不可欠です。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、保護者、教員、コミュニティリーダーに対して、子どもたちの声や思いを理解するためのノウハウを伝授したほか、保護者に対しては災害が起きたときに家庭でできる救急医療の講習などを行いました。参加者の皆さんは「震災の影響はあっても、子どもにはちゃんと教育を受けさせてあげたいと思っている」と子どもへの思いを伝えてくださったり、「地震から1年たっても、あなたたちのような村の外の人たちが自分たちを応援してくれるのはとても嬉しい」など感謝のお言葉をいただきました。
被災した子どもたちが自らの体験を振り返る場として5月に開催しました。さまざまな学校・地域から総勢600人の子どもたちが集まり、スピーチやパフォーマンスを披露して復興への意気込みを発表したり、子どもたちどうしでゲームを行って交流をしたり、笑顔があふれる一日となりました。
日本の皆さまからご支援いただいた地震緊急支援事業は終了となりますが、この地震をきっかけに四川省にセーブ・ザ・チルドレンの事務所を設置しました。今後も防災教育などを中心に四川事務所では被災した子どもたちに対する支援活動を継続していく予定です。
中国・四川大地震被災者支援へのおよそ1年にわたる皆さまの暖かいご支援、本当にありがとうございました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは今後も世界の子どもたちのために活動を続けていきます。引き続きご支援・ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
(中国駐在員:志茂雅子)