本日 子どもの権利条約20周年(09.11.20)
☆子どもの権利条約とは
「子どもの最善の利益」「生存と発達の権利」「あらゆる差別の禁止」「子どもの参加」の4つの基本理念を基にした54の条項から成り、理念や様々な種類の権利、そしてその監視と実施に関する仕組みを明確に定義しています。
1989年11月20日の国連総会において全会一致で採択され、現在193の国と地域が締結しています。この締結数は他のどの人権に関する条約よりも多く、日本は1994年に批准しました。
子どもの権利条約についてもっと知ろう!
☆セーブ・ザ・チルドレン(SC)は「子どもの権利条約」の基礎をつくりました。
SCは、子どもの権利条約を理念に活動しています。
SCの創設者であるエグランタイン・ジェブが1923年に起草した「子どもの権利憲章」(Charter of the Rights of the Child)が、国連子どもの権利条約のルーツとなるジュネーブ子どもの権利宣言(1924年に国際連合で採択)に生かされています。いうなれば、SCが子どもの権利条約の基礎を作ったのであり、子どもの権利の保障は私たち団体の理念であり、その実現は今日までの90年間に及ぶSCの活動の基盤となっています。
子どもの権利条約が採択されて以降、子どもを取り巻く環境は大きく変化しました。児童労働や、子ども兵士、性的虐待や体罰、子どもに対する暴力や搾取など、子どもに関わる様々な問題が国際的な課題として浮き彫りになりました。
しかしながら、現在でも世界では7,500万人の子どもたちが学校へ行けず、3秒に一人の5歳未満の子どもが命を落としています。また、日本でも、35人に一人の中学生が不登校で、1日に1.7人の子どもが自殺で命を落としています。
条約が唱える権利をすべての子どもたちが享受できていないこの現状に、今こそ、私たち大人は、そして国際社会は、子どもの権利を遂行する義務があることを認識するべきなのです。
20周年を迎えた今も、世界で、日本で、子どもの権利条約を取り巻く状況は動き続けています。
現在、世界中で、国連子どもの権利委員会*1に個人が申し立てできる制度(個人通報制度*2)の実現が推し進められています。日本ではセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)を中心に23の団体が、国連子どもの権利条約の3番目の選択議定書を作ろうというキャンペーンを推進しています。
*1.国連子どもの権利条約がきちんと実施されているか、定期的に確認し、必要なアクションを各国政府に勧告する委員会。世界中の子どもの権利の専門家18名が委員になっている。
*2.個人通報制度とは、個人が自分の問題を直接、人権委員会に申し立てて、審査してもらい、必要なアクションを自分の国の政府に対して勧告してもらうことができる制度。
世界中には、国連子どもの権利員会を含め、人権委員会と呼ばれる組織が9つあり、国連子どもの権利委員会を除く8つの人権委員会には、個人通報制度があります。今年6月17日、子どもの権利委員会にも個人通報制度を作ることを検討しようという決議が国連人権理事会で採択されました。この第3の選択議定書が国連で採択されると、子どもの権利の実現に計り知れないインパクトを与えることになります。
日本での子どもの権利キャンペーンをめぐる動き
SCJは、日本での子どもの権利条約の推進者として、条約が20周年を迎えた今年さらに活動を拡大しています。
国連子どもの権利委員会に提出する日本政府のNGOレポートの作成にも関与し、またどもの権利に基づき、子どもと大人が互いに尊重しあう関係を築くことを理念とした子育て本「ポジティブ・ディシプリンのすすめ」を刊行しました。
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これからも、日本の、そして世界の子どもたちの権利を守るため、SCJは活動していきます!