内閣府「男女共同参画基本計画策定」に対し意見書を提出(2010.05.12)
内閣府の福島みずほ大臣は、4月16日〜5月12日にかけて、第3次男女共同参画基本計画の策定に向けて、パブリックコメント(一般からの意見募集)を実施しました。
■ 児童ポルノを含む性的搾取に関する取組みについて明記を!
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの権利を守るという視点から、「第3次男女共同参画基本計画策定(中間整理)」においても、児童ポルノを含む性的搾取に関する取組みに関して明記することを求めた意見書を提出しました。
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《意見書》
「第三次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」第8分野III-3および4に関して、以下の通り意見を提出いたします。
近年、世界的に深刻化している児童ポルノを含む子どもの性的搾取に関する取り組みを「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」においても明記することを求めます。その際に、以下の点を盛り込んでいただけますようお願い申し上げます。
1. 子どもを権利の主体として把握する国連子どもの権利条約の精神に基づき、子どもが自分自身の力で性的搾取・虐待から自らを守ることができるように、適切なメディアリテラシー教育を含む性教育を子ども達に提供することを明記する。
2. 十分かつ適切な情報を子ども達に提供することを前提条件に、子ども達の意見を聴取する。
3. 実在の子どもを対象とした子どもポルノについては、被写体とされたこと自体がすでに実在の子どもの人権侵害を構成すると考えます。したがって、実在の子どもを対象とした子どもポルノを製造、流通、配布、輸入、輸出、提供、販売以外の目的で所持する行為についても、冤罪の可能性を最小限なものにするという配慮のもとで違法化する。
4. 実在しない子どもを対象とするポルノグラフィックな素材についても、「性的秩序を守り、最小限度の性道徳を維持すること」および「青少年が健全に成長できる環境を保障する」という観点から、一定の規制を行う。
5. 子どもポルノの被害に遭った子どもの保護については、福祉面での支援だけではなく、司法手続きにおける「子どもに優しい手続き」を導入する。
6. 本年7月に発効する欧州評議会の「子どもの性的搾取および性的虐待からの保護に関する条約」への早期署名・批准を進める。
7. 児童ポルノを含む子どもの性的搾取の規制強化と並行して、取り調べ手続きの可視化、裁判所制度以外の個人申し立て等の救済制度の整備を進める。また、行政府から独立した人権オンブズパースン制度や国内人権委員会の設置も同時に進める。
8. 国内的救済措置を尽くして依然、適切な人権救済が実現しなかった場合に国際人権委員会に対する個人通報制度を利用できるように、現行の国際人権条約の下での個人通報制度に早急に加入する。
また、国連子どもの権利委員会に対する個人通報制度の実現に向けて、日本の市民社会との建設的対話に基づき、国際的なリーダーシップを発揮する。
【団体名】社団法人セーブザチルドレン・ジャパン
【賛同団体】ポラリスプロジェクト日本事務所
【担当者氏名】 森田明彦 チャイルド・ライツ・センター長