干ばつのケニア・ワジール南県で約3年ぶりの雨!(2011.11.2)
東アフリカは過去60年間の中で最悪といわれる大干ばつと食糧危機に直面しています。現地調査の様子は過去のブログでお伝えしました。10月からは道山恵美スタッフが緊急支援活動の事業統括として赴任しています。道山スタッフによる現地報告をぜひご一読ください。
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東京からケニアの首都ナイロビまで乗り継ぎを含めて約20時間。ナイロビからワジールの中心地(ワジール東県)まで小型飛行機で1時間半。そして、そこから約100km南西へ車で3時間半かけて移動し、ついに活動地のハバスウェインに到着しました。
この地方はずっと雨が降っておらず、そのため農作物は育たず、動物が食べる草は生えず、水がめは枯れ・・ととても大変な状況でした。
そんな時、ナイロビで給水活動の後方支援をしながらハバスウェインへ移動準備をしていたところ、素晴らしいニュースが飛び込んできました。10月12日に約3年ぶりに雨が降ったというのです。しかも、1日だけではなく数日にかけてまとまった雨が降りました。水がめに水がたまりだし、住民も、ケニア人のスタッフも大喜びです。
しかしながら、喜んでばかりもいられません。雨が降ったからといって、すべての人がきれいな水を飲めるわけではないのです。ワジール南県の幹線道路沿いで、道路のわだちにたまった水を汲んでいる子どもたちを見かけました。土の道路にたまる水は、当然、多くの土を水に含んでいるため泥水です。もちろん、給水ポイントにはきれいな水があるのでしょうが、そこまで歩くのは遠すぎるので、近くの安全でない水を汲むというのはケニアでは残念ながらよくある話です。
私たちの活動にも影響が出ます。ワジールのあるケニア北東州ではアスファルトなどで舗装された道路はほとんどありません。そのため、雨が降ると道はドロドロの水たまりとなり、車が泥にはまって動けなくなることもしばしばです。私たちが泥にはまるということがないよう、この土地に詳しいケニア人スタッフが日曜日も安全な移動ルート策定のために働いていたりします。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、緊急の給水活動を予定していましたが、雨が降り、水がたまり始めたこともあり、現在、活動の切り替えを開始しました。せっかく降った雨水を有効利用できるよう、そして泥が混じっていない水を子どもたちが飲むことができるよう、小学校や診療所に雨水をためるための設備(貯水タンクと雨どい)を緊急に設置することを検討しています。
*本事業はジャパン・プラットフォームの支援により実施されています。
※東アフリカ地域を含む世界中の子どもたちを支援する継続支援「SCサポート」にご協力ください。