ハイチ地震  清潔な水を!子どもたちの健康が心配されます (2010.01.18)

ハイチ地震緊急支援活動中

 1月12日夜7時前(現地時間)にハイチで地震が起こってから5日が経ちました。
震災直後から、現地で緊急支援活動を行っているセーブ・ザ・チルドレンの緊急チームから届いた現地リポートをお届けいたします。

17日、ドミニカ共和国にあるSCの倉庫から、20フィートのコンテナがポルトープランスにある病院と2つの児童養護施設に運ばれました。これら食糧、水、衛生用品(消毒アルコール、石鹸、タオル、生理用ナプキン、シャンプー、トイレットペーパー、歯ブラシ、歯磨き、おむつ)は、約2000人に配布される予定で、本日、さらに15トンの医薬品が届けられます。厳しい状況下で活動を続ける現場のSCスタッフは、悲惨な被災によって日々悪化する状況に立ちむかう子どもたちとその家族の忍耐力と力強さに勇気づけられ、助けを必要としている被災者のために、望みを持って支援活動を続けています。

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緊急支援物資を運ぶSC緊急チーム

(c)Win McNamee/ Getty Images for Save the Children

【現地スタッフの声】緊急保健・栄養ディレクター キャスリン・ボールズより

震災の影響を受けた子どもたちとその家族の健康状態の調査のために、キャンプを回っていますが、清潔な水の絶対的不足と衛生状態の悪化がハイチの子どもたちの健康に及ぼす危険が懸念されます。
仮設キャンプにいる家族が赤ちゃんのために汚染された水を使うことで、幼児が下痢になり、命を落とすこともあります。人々は、衛生システムの整っていない、混雑する避難場所に寄り集まっています。このような状況のもとでは、だれもが伝染病の危険にさらされますが、最も影響を受けると心配されるのは、5歳未満の子どもたちです。
このような状況を受け、私たちSCでは、特にキャンプで出産した女性に対して、赤ちゃんの食事に汚染された水を用いるのではなく、母乳を与えることを推奨しています。

また、負傷者は病院の外まであふれ出しています。病院は負傷者を受け入れているものの、設備もスタッフも不足している状態です。SCは、20台の車と27台のオートバイを使って、ポルトープランスの14の病院と医療クリニックに医薬品の配布をしています。今後、キャンプや移動クリニックでの治療の支援のために、アメリカから5人の内科医が現地に入る予定です。

winnie.jpgのサムネール画像

3日ぶりに瓦礫の下から救出されたウィニー

(c)Kate Cinradt/ Save the Children

 

【3日ぶりに救出された女の子の奇跡】

そんな悲惨な現場にも、一筋の喜びもありました。震災から3日後の救出劇により、幼い女の子の尊い命が救われたのです。
まだ2歳にならない女の子、ウィニーが、崩れた家の瓦礫の下から救出され、ポルトープランスにあるSCのオフィスに運ばれてきました。彼女は、12日の夜に起こった地震によって崩れた家に埋もれてしまっていました15日、オーストラリアのTV取材クルーが彼女の泣き声を聞きつけ、その日の午後に救出されました。
2歳にならない女の子が、実に3日間も瓦礫の下で生き延びて、小さな命は奇跡的に救われたのです。
SCの医療スタッフが診察をしたところ、深刻なケガは負っていませんでした。この小さいけれど強い生命力に現場のSCスタッフも大いに喜び、勇気づけられました。
残念ながら、近くにいた両親は瓦礫の下敷きとなって亡くなりましたが、現在は、伯父のフランツとSCのオフィスで保護されています。

  SCは、1978年よりハイチで活動を行っている実績があり、緊急支援はハイチの政府、援助機関、地元のコミュニティとの協力のもとに行われています。2008年に発生したハリケーンによる自然災害の際にも迅速に緊急支援活動を行いました。

このような災害で、最も心配されるのは子どもたちの生命です。
私たちスタッフは全力で被災した子どもたちとその家族を支援していきます。
皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。


【ハイチ地震緊急支援の活動へのご寄付受け終了のお知らせ】
ハイチ地震緊急支援募金は、ご寄付の受付を終了いたし ました。
皆さまからのご支援まことにありがとうございました。


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