ハリケーン「トーマス」の被害、子どもたちの生命に脅威再び (2010.11.08)
前回、ハイチでのコレラ感染拡大の懸念についてお知らせしましたが、11月5日のハリケーン「トーマス」の通過により、沿岸部の町では洪水が発生し、衛生環境の悪化によるコレラ感染者数の増加や、新たな病気の蔓延が懸念されています。
セーブ・ザ・チルドレンの緊急調査によると、ハイチ地震の震源地で未だに9万人がテント生活をしているレオガンの街では、広範な地域が洪水被害に見舞われています。街の多くの仮設キャンプは高台にあり被害はなかったようですが、道路は急流のようになっており、少なくとも35,000人がテントの浸水などの被害を受けているとみられています。
いま、子どもたちは、水たまりや寒さの影響により、マラリアや下痢、テング熱、肺炎や皮膚感染など、生命に危機をもたらす新たな脅威にさらされています。さらに、激しい洪水は街中の汚水やごみを流し、すでに500人以上もの人々を死に至らしめたコレラ菌がさらに蔓延しやすい環境となっています。
このような危機において、最も脆弱なのは幼児と生まれたばかりの赤ちゃんです。多くの子どもたちは、長引くキャンプ生活や栄養不良によって体が弱っており、マラリアや肺炎のような容易に治療可能な病気も医療が行き届かない限り命取りになります。
ハリケーン「トーマス」が去り、セーブ・ザ・チルドレンでは現在、きれいな水や食料などの物資の配布、保健サービスの提供、栄養と母乳推進プログラムの再開やトイレ・水場の修理など、レオガンでの緊急支援を増強する準備を進めています。セーブ・ザ・チルドレンは、ハリケーン「トーマス」の被害を受けたポルトープランスとジャクメルでも支援活動を行っています。
(c)Allison Shelley/Getty Images for Save the Children