デジタル印刷機寄贈式=教育関係者ネットワーク構築第一歩 (2011.12.01)

前回の活動報告で紹介しましたが、2011年7月に事業地であるハスヌーラ郡の5つの学校でデジタル印刷機が寄贈され、既に子どもたちの試験用紙や補助教材のために使われ始めました。先生が試験問題を黒板に書いて試験をする状態だと、一クラスの人数も大きいので、一番後ろの席に座る子どもたちは見えにくく、問題をしっかり理解することができない子どもたちもいました。


デジタル印刷機を使い試験用紙を大量に印刷できるようになり、以前は問題が見えにくかった子どもたちも教室の前に座る子どもたちと同じ条件で試験に取り組むことができるようになりました。デジタル印刷機は寄贈された学校だけでなく、その隣接校にも使用が開放されており、物理的に教材が足りない、試験用紙がないといった問題の解決につながっています。

一方でデジタル印刷機がより多くの学校で活用されるように、本事業の一年目では教育活動の中心となっている5つの行政教育機関へもデジタル印刷機が寄贈されました。7月から続いていた地域の政治活動により、行政機関への寄贈が遅れましたが、ようやく10月29日にデジタル印刷機の寄贈と使用方法の能力強化研修を実施することができました。

Photo1_県教育局にて行われたデジタル印刷機能力強化研修.JPGのサムネール画像デジタル印刷機使用方法実施研修で見えてきた課題は本事業の女性の参加です。いまだインドでは女性は男性より低い立場にあります。もちろん以前より状況は変わりつつありますが、本事業地の農村地では自治会の会議への女性の参加が理解されるのは未だに難しいことです。

photo2_ずらっと男性関係者が並ぶ.JPGセーブ・ザ・チルドレンはこれから教育事業を展開するなかで、教育の質を向上し、全ての子どもたちが学校に通い続けるためには母親の意見が学校運営委員会で反映されることが大切だと地域自治会、そして行政にも訴えつづけます。行政や自治会のメンバーを招待して開催されたデジタル印刷機寄贈式はこうした教育の中での課題を訴え、関係者間の関係を強化する第一歩となりました。

photo3_教育の質向上のためそれぞれの役割を訴えるPNGO代表.JPG次回は現地からの子ども向け、コミュニティ意識向上研修について報告します。お楽しみに!

(文・写真:インド事業担当 森本 美紀)


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