スマトラ沖地震現地レポート(2005.02.18)
【災害を生き残り、最愛の家族と再会する子どもたち】
セーブ・ザ・チルドレンの再会支援プログラムの4ステップ
セーブ・ザ・チルドレンは親と離ればなれになった子どもたちの家族との再会を、身元確認・文書化・追跡・再会という4ステップで支援している。
セーブ・ザ・チルドレンの再会支援プログラムの4ステップ
セーブ・ザ・チルドレンは親と離ればなれになった子どもたちの家族との再会を、身元確認・文書化・追跡・再会という4ステップで支援している。
【1.身元確認(identification)】
- 家族と離ればなれになったり、世話をしてくれる人がいない子どもを確認し、見つかった場所をあわせて確認する
- 子どもから基本的なデータを収集:フルネーム、誕生日・出生地、両親の名前、被災前の住所と現在避難しているところ
- 収集したデータから身元を確認し、追跡がしやすいようにする
注:話せない子どもの場合は、行方不明時に着ていた衣服を身につけたままであることが重要である。母親は子どもが最後に着ていたものを覚えているものである。
補足的な情報をさらに収集し、再会を確実にしていく。
【3.追跡(tracing)】
家族や子どもの世話を任せられる人を探す。また、子どもの世話をする人と子どもとの関係が法的にもしくは慣習的に正当かも確認する。
【4.再会(reunification)】
親と離ればなれになった子どもの家族関係の確認と証明がなされた後、子どもと家族が再会できる。家族は再び共に暮らせるようになる。
※セーブ・ザ・チルドレンは、今回に限らずあらゆる災害時において子どもの保護を最優先事項としている。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ケーススタディー
スマトラ沖地震・津波災害前、インドネシアのアチェ州では全人口に占める子どもの割合は30%を超えていた。避難民キャンプでは子どもの数はせいぜい20%である。セーブ・ザ・チルドレンはアチェ州の20のキャンプで再会支援プログラムを行っている。
ムスタファ・カマルと娘リナの場合
トラックドライバーのムスタファ・カマルと彼の5歳になる娘リナは津波の後約1ヶ月も生き別れとなっていた。二人が被災してから初めて、再会した日はセーブ・ザ・チルドレンのスタッフにとっても忘れられない日となった。
津 波が起きたとき、ムスタファはバンダアチェから数マイル離れたメダンへ行く途中であった。帰宅後、妻と娘が行方不明となっていることを知った。両親、2人 の姉、親戚と生き別れになったリナはセーブ・ザ・チルドレンに登録し、バンダアチェのムティアという名前の女性に面倒を見てもらっていた。リナが父親と再 会する前日、セーブ・ザ・チルドレンは20の避難民キャンプで親や親戚と離ればなれになったとして登録された72名の子どもたちの名前を公表した。リナの 名前はキャンプのリストに挙げられ、またラジオで読み上げられ、セーブ・ザ・チルドレンの事務所にも掲示された。
ムスタファが娘を抱きしめたとき、彼は感極まり跪いて何度も何度も叫んだ"ああ、神様。私は娘が生きているとわかっていたんだ!わかっていたとも!娘よ、私は決して諦めなかったよ、探し続けていたんだ!"
残念なことに、リナの母親は未だ行方不明のままである。二人が出発する時、父親は娘に"ママを探しに行こう"と言った。
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バンダアチェのセーブ・ザ・チルドレン緊急対応リーダー ボブ・ラップレイドの声:
"災害後に子どもたちが家族と再会するのを見ると、私たちの仕事の一瞬一瞬に価値があると感じられる"
皆さまの募金へのご協力をお願いいたします。