子どもの貧困に関し、子どもたちへのヒアリング調査を実施中:SOAP(2010.09.01)

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、子どもの貧困問題への取組み"Speaking Out Against Poverty(SOAP)〜夢や希望をうばわれないために〜"を実施しています。その一環として、子どもたちの貧困観を聞き取るヒアリング調査が7月からスタートしました。

■子どもの貧困に関して子どもたちがSpeak Out!■

本調査では、2010年7月から11月にかけて、大阪及び近県の小・中・高校生約100名を対象に、子どもたちが持つ子どもの貧困観のヒアリングを実施していきます。本調査は、セーブ・ザ・チルドレンが北アイルランドで行った調査を参考にしており、このような子どもたち自身に子どもの貧困に関する声を聴く調査は日本では少なく、先駆的な取り組みです。

ヒアリングは、4〜5人の子どもたちからなる小グループに対して、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの研修をうけた大学生や大学を卒業して間もない「ことな世代」が実施。子どもたちが話しやすい環境・雰囲気づくりを考慮し、簡単なゲームや調査の意味を考えるアクティビティを混ぜたプログラムになっています。また、貧困下にいる子どもたちにスティグマを生じさせないために、ヒアリング内容は子どもたち自身の実体験や現状ではなく、子どもたちがどのように子どもの貧困を捉えているかということに焦点をあてています。

本調査の目的は、子どもたちが持つ子どもの貧困観を通じて、見えにくい日本の子どもの貧困の実態を明らかにすること、さらにそれらの声をレポートに集約して、社会に届けることで、より多くの方々が日本の子どもの貧困の実態を知り、考えるきっかけにすることです。子どものことは子どもが一番よく知っています。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子どもたちが声をあげ、大人や社会がその声に耳を傾けることが、子どもの貧困問題の解決につながると考えています。

■聴こえてきた子どもたちの声■

現在までに実施したヒアリング調査で集まった子どもたちの声を一部紹介します。

相対的貧困下にいる子どもたちはどういう気持ちで生活しているかな?
(日本では7人に1人の子どもが相対的貧困下にあることを説明した後で)
「他の子よりも違う感じやから、学校行ったとしても不安やと思うその子が。仲良くできるんかなとか。」(中1)
「この子が思ってる気持ち?この子は他の6人よりは貧乏やから、何か欲しいとかあると思うけど、そういう自分が恥ずかしい。うちやったら感じる。周りは自分よりはお金持ってるし、欲しいものも持ってるけど、自分は貧乏で、欲しいとは思うけど、そういう自分が嫌になる。」(中2)
「金がなかったら、病院とかちょっと控えよかって感じするかも。」(18歳)
「皆がいいもの持ってたりしたら自分も欲しいな、でもやっぱあかんねんなって。ストレス溜まると思う。」(中1)
「自分だけ違う、とか。なんか、自分だけ差別されてるとか。」 (小5・6)
 
 差別される?どんな差別だろう?
「なんか、あの子だけ持ってないから、とか。あいつ持ってないから遊ばんとこーとか。話さんとこーとか。」(小5・6)

みんなが政治家だったら何をする?
「学校の奨学金を増やして高校の無償化をなくす。有償化にする。逆に貧しい人だけ授業料免除とかを増やす。種類増やしたりとか。」(17歳)
「うちは、その子と同じ生活1回してみる。同じ生活の中で分かることももっと多いから。同じことして、その子の苦しみを分かってあげて、その子から信頼得る。」(中1)
「貧しい人だからって、大変な仕事を押し付けたりしないようにする。」(小6)

あえて"自分のことは語らない"というヒアリング手法ではありますが、子どもたちの声には自身の体験や普段の生活で見てきたことが多分に反映されています。また、このような多様な子どもたちの声は、子ども一人ひとりが自分の周りの問題をしっかりと捉え、考えをもっていることの現れといえるでしょう。

■ヒアリングに協力してくれる子ども募集!■

今後も引き続き、大阪近県の多様な子どもたちにヒアリングをしていきます。自分も声をあげたいという子どもたち、本調査に参加できる5人以上の子どもたちを集めることが可能な方は、下記までご連絡下さい!お待ちしています。

連絡先:soap@savechchildren.or.jp


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