沖縄でも子どもの貧困観ヒアリング調査を実施:SOAP(2011.03.10)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、子どもの貧困問題への取組み"Speaking Out Against Poverty(SOAP)〜夢や希望をうばわれないために〜"を実施しています。その一環として、昨年京阪神にて実施した子どもの貧困観ヒアリング調査を、2011年2月10日〜13日に沖縄でも行いました。
■沖縄子ども研究会との共催にて実施■
沖縄県は出生率が全国で最も高い一方、1人あたりの平均県民所得が平均約200万円と全国で最も低く(*)、子どもたちを取り巻く厳しい状況があります。本調査は、子どもの貧困解決に向けた取り組みを進めるために、まずは当事者である子どもたちの声を聴いてみようと考えた沖縄子ども研究会との共催にて実施しました。
■調査にあたり、チャイルド・ファシリテーターを養成■
2月10日(木)は、チャイルド・ファシリテーター研修を沖縄大学で開催し、大学生や学童保育支援員など14名が参加しました。チャイルド・ファシリテーターとして子どもに寄り添い、子どもたちの声を聴くために必要な知識・スキル・態度を、参加者同士で意見交換しながら、学びました。
■50名の子どもたちがSpeak Out!■
2月10日(金)〜13日(日)は、児童館やフリースクール、児童養護施設など計5か所で50名の子どもたちが調査に参加し、日本の子どもの貧困についてSpeak Outしました。8才から18才まで多様な子どもたちの声を一部ご紹介します。
相対的貧困下にいる子どもたちは将来どうなってると思う?
「お金持ちになってる。なんかもうがんばって働いたから。」(中3・女子)
「家賃とか払えんくて、ホームレスになってる。仕事とか探せないから。」(中3・女子)
「両方あり得る。頑張ったら、お金持ちになりえるし、努力してもそれが実らなかったら・・・。」(中3・女子)
じゃあ、頑張るためには何が必要?
「勉強」(高1・男子)
「人とつながりを持つ。誰でも。とにかくつながりがあったら、仕事は見つかるし。」(高3・男子)
みんなが政治家だったら何をする?
「貧乏な人を保護する法律つくる。貧乏優先法みたいな。」
「貧乏って言葉使っちゃあね・・・。貧乏って認めちゃってることになる・・・。」
「そっちも貧乏だって認めちゃうから、がっかりみたいな。」
「じゃあ、逆にさ、これでまたいじめられるってこともある。貧乏法で保護されてたらその人貧乏だって分かっちゃう」
「じゃあ、分からないようにすればいいさ」(小5・男子)
■調査に参加したチャイルド・ファシリテーターや大人の声■
調査に参加した大人からは、次のような声が寄せられています。
・今回参加して、子どもが話を聞いてほしいという願望を強く持っていることが分かりました。子どもの話を聞くことができる社会は、否定の存在しない前向きな社会だと思います。世界の宝である子どもたちがもっと輝けるよう、日ごろから子どもとのおしゃべりを大切にしたいと思います。(チャイルド・ファシリテーター/大学院生・女性)
・一番子どもたちはちゃんと自分の意見をもっていると感じました。ただそれをくみ取れる力、聴き取れる力が私たち大人のこれからの課題かなと思っています。今後沖縄でもこの活動が継続していくことを望むし、そこに私も力を注いでいきたいと思いました。(調査見学者・女性)
■子どもたちの声を社会に発信■
本調査に参加してくれた子どもたち、実施にあたりご協力くださった関係者・関係団体のみなさま、ありがとうございました。
沖縄での調査結果は、沖縄タイムスにて発信されるほか、3月12日(土)に沖縄弁護士会が主催する「貧困問題全国キャラバン」等でも報告されます。また、4月には京阪神での子どもの貧困観ヒアリング調査であがった子どもたちの声をレポートにまとめ、ホームページ等を通じてみなさまにお届けします!ぜひ子どもたちの声に耳を傾けてみてください。
【本調査の実施体制】
共催:沖縄子ども研究会、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
後援:沖縄タイムス、沖縄弁護士会
主管:沖縄大学学生支援GP
*2010年2月19日付内閣府発表