子どもの貧困に関するアンケート結果:SOAP

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、2010年2月、関西最大規模の国際協力イベント「ワン・ワールド・フェスティバル」において、「日本の子どもの貧困」の現状を捉えるために、下記2種類のアンケート調査を実施しました。

■日本の子どもの必需品に関するアンケート■

「これって日本の子どもに必要ですか?」というタイトルのアンケートに、計548名の子どもと大人に回答していただきました。日本で子どもが普通に暮らしていくために、それぞれの項目はどの程度必要かを問うこのアンケートは、「社会的に認知された必需品」を社会全体に選んでもらう手法「合意基準アプローチ」を簡易的に行ったものです。この手法を詳しく述べている「子どもの貧困」(阿部彩著:岩波新書)では、日本の子どもの必需品に対する社会的支持の弱さが論じられていますが、今回実施したアンケート調査でも同じ傾向が見られました。

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10項目のうち、過半数が絶対的に「必要」と答えたものは4項目(一日三度の食事、歯医者に行く、季節に合った服、高校・専門学校)のみですが、その割合もそれぞれ73%、55%、62%、62%と決して高いとは言えません。また、教育以外の活動(遠足・修学旅行への参加、趣味やレジャー活動への参加)は、子どもの成長と密接な関係があると考えられているにもかかわらず、その支持は低くなっています。みなさんはこの結果をどのように受け止められますでしょうか?

■日本における子どもの貧困に関するアンケート■

上記のアンケートに加え、10代から60代の計190名の方々に、下記の6つの設問について回答していただきました。このアンケートでは、現在日本で「日本の子どもの貧困」がどのように捉えられているかを測りました。

〜設問項目〜
  設問1.日本の子どもの貧困問題を知っている。
 設問2.日本の子ども貧困問題を聞いても、自分にはピンとこない。
 設問3.日本の子どもの貧困問題は国の義務だ。
 設問4.日本の子どもは恵まれていると思う。
 設問5.日本の子どもの貧困についてもっと知りたい。
 設問6.日本の子どもの貧困問題に関わっていきたいと思う。

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設問5、6で「とてもそう思う」「どちらかといえばそう思う」とした回答の合計はそれぞれ89%、87%であり、日本の子どもの貧困への関心の高さが伺えます。しかし、設問1への回答で、「内容まで知っている」という人は23%にとどまっており、情報の提供が十分に行われていないことが想像できます。また、同設問で過半数以上が「聞いたことがある」程度に情報を受けとめていること、そして、日本での子どもの貧困を聞いても自分にはピンとこないと考えている人(設問2の回答が「とてもそう思う」もしくは「どちらかといえばそう思う」)が過半数以上であることは、日本の子どもの貧困の実態がまだ明らかではないことの表れではないでしょうか。また、85%以上(設問3の回答が「とてもそう思う。」もしくは「どちらかといえばそう思う。」)が日本の子どもの貧困問題の解決を国の責任と答えています。

■Speaking Out Against Poverty (SOAP):日本の子どもの貧困問題への取り組み■
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンも、日本の子どもの貧困問題は構造的問題であり、最終的に国が解決すべき問題だと考えています。そのために、様々な方々と連携し、子どもに寄り添いながら、実態把握のための調査を実施し、国や行政へ働きかけをしていきます。

※本アンケートにご回答いただいた方々、調査実施にご協力くださったボランティアの方々、ありがとうございました。


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