イラク難民に心のケアを(2009.10.15)
皆様、はじめまして。東京本部ヨルダン国担当の森本美紀と申します。9月に着任して、早速ヨルダンへ出張に行ってきたので、その時の報告をしたいと思います。
<ヨルダンという国>
以前アフリカで働いた経験はありましたが、中近東に訪れるのは初めての体験でした。気候としては、アフリカに少し似ており、乾燥していて気温が高いものの、湿気がない為、不快な暑さは感じられませんでした。
何よりも、町中の風景の中で感動したのが、黄土色の建物が見渡す限り続いている事でした。
<人形劇がどう子どもたちの成長に影響するか>
現在SCJが行っている、イラク難民への早期幼児教育支援事業をより良いものにするための調査の一環として、まずヨルダン市内にあるローゼリー幼稚園での人形劇を見に行きました。人形を通じて伝えるストーリは絵本よりも生きた形で子ども達に伝わるので、前に乗り出して見る子どもたちの姿が印象に残りました。一人の人が多数の人形を操っているので、声の変化をどうしているかなど、園児達は興味深く質問を問いかけていました。
多様な方法で、子どもたちにストーリを伝える事は彼らの喜び、そして精神の状態に影響するのではないかと強く感じ、私自身、幼少時代に動く物を目にしたり、手に取るだけで、物語の印象がより強く残り、楽しかった事を思い出しました。
現在SCJのヨルダン事業では、早期幼児教育指導者や親たちが、影絵、人形、そして絵本を通して子どもたちへの心理社会的ケアを行えるように取り組んでいます。
<SCJ事業〜親たちへの絵本研修事前ワークショップ>
今回ヨルダン南部のアカバで、イラク難民の親たち向け「絵本の作り方研修」の事前オリエンテーションを行いました。アカバはヨルダンの南部に位置し、いまだに難民保護や教育支援を受けていないイラク人難民が数多くいます。そして、その難民としての生活が困難になる程、子どもたちへの心理的影響は大きいため、親が子どもたちとのコミュニケーションを深めていく事は大切です。
イラク戦争の経験や、異国での生活、貧困に立ち向かう難民の親そして子どもたちの生活、また彼らの心理状態を、早期幼児教育を推進することで少しでも改善できるよう事業に取り組んでいます。
そんな現場からのホットニュースを次回より林田麻理子駐在員が伝えていきます。