設置したばかりの新しい親子センターで遊ぶ子どもたち
ヨルダン南部のマアン県に、親子センターが開設されました!ヨルダン南部は、首都アンマンから離れていることもあり、まだまだ各種サービスの普及・アクセスが限られている地域です。そんな地域に、大阪コミュニティ財団(前田哲基金・Panasonic共生社会基金)の助成を受け、新しく親子センターが設置されました。親子センターは、小学校に入る前の子どもたちを持つ親が、子どもたちの早期幼児教育や発達に、より積極的に、そしてより主体的に携わっていくことをサポートすることを目的にしているセンターです。センターでの活動は多岐に渡りますが、さまざまな理由から幼稚園が普及していない背景を受け、親たちが家庭において子どもたちへ教育機会を提供できるように、Ta'leem fil beet (「家庭における教育」のアラビア語)のキットを配ったり、その使い方を研修したりします。また、ワークショップは親たちが育児や子どもの保護についての新しい知識を得たり、子育てをする親同士が意見交換をしたりする場にもなります。そして、何より親子センターの空間を使うことは、親が子どもとともに時間を過ごし、子どもと向き合う機会を増やします。
あるお母さんは、「センターで子どもと一緒に過ごすのは私にとってとても大切な時間。私が子どもの頃にもこんな機会があったらよかったのにと思うわ」と語っています。また、5歳の女の子はこう語ってくれました「お母さんが歌ったり、おもちゃを作ったりできるなんて初めて知ったの。道路で遊んでいるより、親子センターに来て他の子たちと一緒に遊ぶ方が好き!」
壁いっぱいに思いっきりお絵かき
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、2007年11月より約3年間、イラク避難民を主な対象としてヨルダンでの早期幼児教育支援を展開してきました。この期間、ヨルダン国内8県において、幼稚園11施設、コミュニティーセンター5施設、そして親子センター6施設と協力して活動してきました。幼稚園における正規教育へのサポートから家庭における教育まで、形はさまざまですが、まさに成長の途上にある子どもたちが、安心して、そして子どもの権利を実現しながら成長できる環境作りを支援してきました。それぞれの活動を現地へ移管した今、私たちの活動が現地の組織や人々にしっかりと受け継がれ、これからもイラク避難民を始めとするヨルダン国内で弱い立場にある家庭や子どもたちを支えていくことを願っています。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのヨルダンでの活動はこれで完了です。私たちはヨルダンでの活動を通じて、そして一緒に活動をしてきたさまざまなパートナーからたくさんのことを学びました。避難民生活という制限された生活の中で子どもが見せる親への思い、正規教育以外へもアプローチする重要性、地域コミュニティのパワー...。セーブ・ザ・チルドレンは、ヨルダンや他国での経験を生かしつつ、今後も世界中の子どもたちをサポートしていきます。みなさまからの引き続きのご支援、どうぞよろしくお願いいたします。これまでのヨルダンへのご支援、ありがとうございました!