「まだまだやるべきことがあるから」〜モンゴルの教育支援 (2010.12.1)
皆さん、はじめまして。プジェです。モンゴル事務所で運転手を除いた唯一の男性スタッフです。
担当分野は教育。でも前回のレポートをしたウルジと違って、僕は地方で暮らす、社会的弱者ともいわれる遊牧民や障がいを持つ子どもたちが学校に通い、質の高い教育を受けられるよう支援しています。2010年は深刻な雪害に見舞われ、多くの家畜が死んだことで、生計手段を奪われた家族や子どもたちの支援も担当しました。
《 SCのベストを着たプジェ 》
セーブ・ザ・チルドレン(SC)で働くのは3年目。以前は、8年間教育文化科学省で幼児教育に携わっていました。当時からSCとはよく一緒に仕事をして、多くの教育事業を手掛けてきました。
SCの良いところは、ただひたすらに子どもの未来のために働いていること。色んな国のSCスタッフと一緒に働けること。たとえば、日本人スタッフからはきめ細やかな仕事の仕方、イギリス人スタッフからは柔軟性と広い視野を持つことの大切さを学んでいます。
僕がSCで働く理由は何と言っても、支援した子どもたちの成長を目の当たりにするたびに感動するから...、そしてまだまだ子どもたちの教育を受ける権利を保障するために、モンゴルではやらなければならないことがたくさんあるからです。
数年前、視覚障がいを持つ女の子に出会ったときのことです。
僕たちは、ある地方で、障がいを持つ子どもたちが普通学校に通えるよう、支援をしていました。その子は、支援の一環である特別トレーニングを受けた先生に学び、読み書きや音楽がとても上手になりました。しかしその先生が別の地方へ転任することが決まり、視覚障がいを持つ子どもたちに専門的に教えられる先生が学校にいなくなってしまったのです。
《 モンゴルの障がい児教育の一例 》
彼女の両親は何度も話し合い、娘の教育のため、先生を追いかけて引っ越しまでしました!1年後、彼女が普通学校で勉強を続けて順調に進学していることがわかり、僕はとてもうれしかったのですが、同時に、もっとたくさんの教師に障がい児教育訓練を行っていたなら、この家族は引っ越す必要がなかったのになぁ...と、自分がやらなければならないことが、まだまだたくさんあることを痛感し、以来自分を鼓舞して仕事に励む毎日です。
最後に。記事の内容とは少し違うけれど、下の写真は僕が撮った、寮生活を送る小学1年生。遊牧民の子どもたちは、こうやって親元を離れ、寮で友達と生活をしながら勉強します。2010年初めは、ゾドという10年来の大規模な雪害に見舞われました。寮の暖房施設が壊れ、食料が不足し、家族が生計の糧を失い不安定になったり...、みんな大変な思いをしながら勉強に励んでいました。
《 気をつけポーズで、にっこり 》***
2010年11月からモンゴルのブログでは、新シリーズとして、モンゴル事務所で働く各スタッフからのメッセージをお届けしています。モンゴルの子どもたちの様子、活動の報告のみならず、スタッフのSCで働く生きがい、またはお国事情・文化の紹介に至るまで幅広くモンゴルを紹介して、みなさんにモンゴルの空気をお届けできれば幸いです。