大洪水救援完了(2009.09.15)

洪水で被災した障がい児・障がい者のいる家族への支援が完了しました

「豪雨が激しく打ち付ける音、膝が浸かるまでの浸水、本当に怖かった。寝具も洋服も本も全て水浸しで台無しになってしまったの。。。」
「豪雨の音がとても怖かった。僕は、おばあちゃんと弟にぴったりと寄り添い、水浸しになっていく家の中でじっとしていたんだ。」
セーブ・ザ・チルドレン(SC)の支援を受けた障がいを持つ子どもたちの被災当時の心境です。

浸水した家今年7月下旬、豪雨による40年ぶりの大洪水がモンゴルの首都ウランバートル市を中心とした地域を襲いました。8月末時点での被災世帯数は3000世帯以上、そのうち2000世帯が家財の半分以上を損失したと報告されています。

SCが支援対象とした首都バヤンズルフ地区の2行政区では、全4109世帯のうち111世帯が家屋もしくは家財を損失、SCはその中でも災害時に取り残されがちな障がい児・障がい者のいる家庭を優先的に支援しました。支援対象家庭は、「9月に通学を控えた子どもへの支援」という地元行政の要請を念頭に、家族構成、貧困度、被災状況の深刻さといった視点から選定し、8月中旬には対象家庭一軒一軒を訪問し、支援物資の支給を行いました。

支援物資の中心は、文房具・通学カバンといった通学に欠かせない物資、また暖かく清潔な子ども服と靴。それに、被災後の感染症蔓延防止を目的とした衛生用品や消毒薬、洪水で破損した調理器具なども支給しました。さらに、一日の大半をベッドで過ごす障がい児がいる家庭からの強い要望に応え、清潔なシーツも支給しました。

モンゴンチメグ「わあ、ノートや文房具がぎっしり詰まっている!カラフルな通学カバンで新学期が楽しみ。」SCの支援で通学カバンを受け取った四肢障がいを持つモンゴンチメグ(13歳)は、とても嬉しそう。彼女は、両親の慢性的な失業により、もともと十分な文房具を持っていなかったといいます。彼女と両親は、政府が月3000MNT(モンゴルトゥグルグ:約200円) 、四半期毎に25000MNT(約1670円) 支給する子ども基金のみを頼りに生活しています。

 

テルゲル聴覚障がいを持つテルゲル(5歳)も通学カバンが気に入って離そうとしません。同じく聴覚障がいを持つ両親は、テルゲルが9月からの入園を心待ちにしていること、SCから支給された通学カバンはテルゲルにとってこの上ないプレゼントであると嬉しそうに話してくれました。

アルタンスク(14歳)知的障がいを伴う重複障がいを持つアルタンスク(14歳)は、現在通学していませんが、通学カバンをいたく気に入り、SCスタッフに自慢げに見せてくれました。彼は体が弱いので、支援物資の暖かい服はとても助かる、と女手一つで家計を支えるアルタンスクの母親がSCスタッフに笑顔を向けました。

地元行政・国際支援団体の迅速な支援が功を奏し、事態は収拾に向かっている為、SCの支援は上記物資の支給を以て完了となります。SCは今後も自然災害を含むモンゴルの動向を見つめ、障がい児を含むモンゴルの子どもたちの権利実現に注力していきます。

引き続き、ご声援・ご支援、どうぞよろしくお願いします。


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