「日本のPTAに負けない保護者会を立ち上げました!」(2011.10.5)

こんにちは。このプログでも何回も紹介されています子どもの権利実現のための暴力のない公平な教育環境推進」事業のコーディネーターを務めているエンヘーです。 

エンヘー.jpg私は、2005年から2008年まで、名古屋大学大学院法学研究科に在籍しました。私の2人の息子も来日し、日本の中学校と保育園に通っていましたが、その時の保護者としての経験は、私に多くのことを教えてくれました。日本の学校や幼稚園環境はとても安全で、子どもにやさしく、カリキュラムは子どもの発達に則してつくられており、素晴らしいと思いました。特にモンゴルにはない日本のPTAには感銘を受け、ぜひモンゴルの公立学校にも導入したい!と強く願ってモンゴルに帰りました。

 

まさか「日本のPTAをモデルにした保護者会」を立ち上げる事業に関われるとは、その時思ってもみませんでした。

 

保護者会は、「先生による体罰と差別を減らすために監視する機関が必要」ということで始まりましたが、当初は「苦情を述べる会」などと、大変否定的な見方を学校関係者側からされていました。

 

しかし事業を進めていくうちに、学校関係者も、保護者を「よりよい学校をつくるためのパートナー」と思い始めたことは、大変興味深くうれしいことでした。基本的に、親も「子どものために学校をよりよくしたい、そのために何かしたい」と思っているわけですから、当たり前と言えば当たり前のことでした。

 

24番学校の保護者会代表者の方は、こんなことを言っていました。「私たちの学校では、定期試験のほかに、保護者の監督によって行われる学期末試験があります。これは、『先生がしっかり子どもに教えていないのでは』と不満に思う両親が多かったことから、保護者会が学校に提案し実施に至りました。このことで、多くの保護者が先生を誤解していることがわかりました。先生は大変多くの仕事を抱えていることもわかり、いろいろな場面でできるだけ学校に協力をするようになりました。今では、学校が企画する文化行事には、保護者会が企画・運営に参加し手伝っています。学校には十分の予算がないこともわかりましたので、学校の修繕に必要な費用も保護者会で集めています」

 

第24学校の保護者会.JPG上の写真は、24学校の保護者会が絵画展を主催した際の保護者会メンバーと教員の集合写真です。子どもたちが描いた絵を美術館の展示スペースに飾り、多くの人に見てもらいました。

 

さて、今回の事業終了にあたり、関係者の話をまとめたビデオを作成しましたが、この中で学校の先生2名が、保護者会に対して大変うれしいコメントを寄せています。2人の先生のコメントを中心に、その部分を切り取り、字幕をつけました。

 

 

いかがでしたか?

 

   日本のPTAに負けないぐらいの保護者会ができたと、今は大変うれしく思っています。

   実は、私自身のセーブ・ザ・チルドレンとの関わりは2000年までさかのぼるのですが、初めは「障害児教育」を担当していました。養護学校の少ないモンゴルで、障がいを持つ子どもにも教育の機会を与えるために、普通学校でそのような子どもを受け入れるためのシステムをつくりました。また同じ悩みを持つ家族が問題を分かち合い、情報を交換する場が必要であると考え、「障害を持つ子どもの親の会」を立ち上げました。その会は、他の組織から金銭的支援や、協力隊の方々から技術指導を得ながら、今日でも活発に活動をしています。

子どもの教育関係事業にすでに10年関わっていますが、改めて学校教育における親の関わりの重要性を感じています。3年間事業を支えて下さったすべての関係者の皆さんに心より感謝を申し上げます。

2011年10月ウランバートルより エンヘー


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