スタッフの努力‐栄養事業の成功に向けて(11.11.02)
10月1日に開始した「ミャンマーにおける母乳・補助食の栄養指導と生計向上支援 第2期事業」ですが、昨年の事業同様、子どもの栄養不良をできる限り減らしていけるよう、スタッフが一致団結して、事業にのぞんでいます。そのカギとなるのは、事業を始める際の正確で細やかな情報収集、つまり、5歳未満の栄養不良の子どもの現状を調べておくことにあります。これを、ベースライン調査と呼んでいますが、この実施に向け、10月25日から28日までの4日間、スタッフを対象にしたベースライン調査のための研修を行いました。
今回の事業の対象村30村の栄養状況に関する事前調査は事業計画時に実施され、その結果、全5歳未満児に占める栄養不良児の割合が10.4%と判明し、対象地での栄養支援のニーズが高いことが確認されています。これから本事業で展開する栄養教育や完全母乳育児の促進、栄養不良児に対する補助的食餌療法、養鶏や家庭菜園などの生計向上支援は、この栄養不良児の割合を減少させるための活動です。したがって、このベースライン調査の目的は、これらの活動が5歳未満児の母親の乳幼児の適切な食事法に関する知識やその実践にどのような変化を与えたかを測定するために必要な活動開始前の基準値を入手することです。
調査対象は、対象村30村に居住する5歳未満児をもつ母親656名から、村の人口数に比例して無作為抽出された370名(56%)。調査手法は、栄養と生計に関する33個の質問で構成される質問表を用いた直接聞き取り法です。ベースライン調査は、現地スタッフが実施します。昨年の事業のベースライン調査とエンドライン(終了時)調査を経験済みなので、今回の研修では調査の目的や手法、質問表の再確認のほか、5歳未満児リストを用いての質問対象者の無作為抽出、調査チームの編成、調査計画の策定などを行いました。
これから約2週間かけてベースライン調査を実施します。調査結果がまとまりましたら、ご報告いたします。