子どもたちに試食してもらいました!(2010.12.10)

11月20日、セーブ・ザ・チルドレンはカポエタ北郡の中心的な街であるリウォトでチャイルド・ヘルス・デーを開催しました。識字率が低いカポエタ北郡では、住民を対象にしたイベントを開いて、子どもの保健・栄養の大切さを直接住民の目に見える形で訴えることに大きな意味があります。私たちJPF保健・栄養改善事業も子どもの栄養不良について住民の認知を高めることを目指してイベントに参加しましたので、その様子をご紹介します。

イベントはリウォト診療所(PHCC)近くの学校の校庭で行われました。300人を超える住民(主に母親と子どもたち)と、カポエタ北郡政府関係者、地元のコミュニティのリーダーたち、NGO関係者らが参加し、会場は朝から大盛況となりました。迎えるセーブ・ザ・チルドレン側では、それぞれの事業の代表者がカポエタ北郡で行っている事業についての説明を行い、子どもの栄養・保健についての政府関係者、NGO関係者、住民代表らの注意を喚起しました。JPF南スーダン事業の事業統括も、カポエタ北郡での現在唯一の栄養改善事業の重要性と、事業への理解と協力を訴えました。参加者はみな興味深そうに説明を聞いており、「栄養不良の子どもがカポエタ北郡からいなくなるよう、事業の今後に期待する」との言葉を住民代表からもらうなど、地元住民の期待の大きさを実感しました。

また、子どもと母親を対象に各事業でブースを設置して、妊娠中の女性の検診、子どもの予防接種などを行いました。私たちのブースでは、母親に読んでもらうために子どもの栄養不良の原因と予防法、子どもが栄養不良になった場合にどうしたらいいのかについて説明するタポサ語(現地の言語)のポスターを展示しました。

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 〈栄養改善事業ブースを準備している様子〉

 

JPF南スーダン事業のブースでは、さらに子どもたちに栄養補助食の調理の実演をし、試食をしてもらいました。栄養補助食は、ソルガムと豆をすりつぶしたものに水と砂糖を少量加え粥状にしたもので、たんぱく質、炭水化物、脂質の3大栄養素がバランスよく入っています。

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〈職員が母親たちの前で実演しました〉

今回の実演につかった食材は、地元のマーケットで購入しましたが、実際に事業で使う栄養補助食は世界食糧計画(WFP)から提供される予定のCorn Soya Blendというものです。これはもろこし(メイズ)、大豆を主材料とし、さらにビタミン、ミネラルなどを加えて食品の栄養価を高めたものです。カポエタ北郡では、もろこしやソルガムを粥状にしたものは食べられていますが、豆を加えることで不足していたたんぱく質を補うことができます。彼らにとって新しい味なので、まずは子どもたちに試食してもらい、おいしそうに食べる子どもたちを見ることで、母親たちの不安や抵抗感をなくすことがこの試食会の狙いです。最初は調理の様子を遠巻きに見ていた母親たちでしたが、はじめの一人の子どもがおいしそうに食べ始めると、「私の子どもにもちょうだい」とテーブルの周りに集まりました。子どもたちのなかには、「もっと欲しい」とスプーンを握りしめて離さない子もいて、試食は大成功を収めました。

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〈盛況だった試食会
子どもたちは興味津々でした〉

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  〈たくさんの子どもたちに栄養補助食を試食してもらいました〉

今回のイベントを通し、母親たち、住民代表、現地行政という重要な関係者たちに子どもの栄養状態改善がいかに重要であるかの認識を高めることができたこと、そして私たちが事業で配布する栄養補助食が子どもにとって食べやすく、安全なものであることを多くの母親たちに知ってもらえたことは大きな収穫でした。私たちが活動を行っていく上で、すべての関係者の理解・協力を得ることは重要なステップです。関係者には、地元住民や現地行政に加え、支援してくださっている日本の皆様ももちろん含まれます。今回のイベントの成功を糧とし、さらにがんばって活動してまいりますので、今後もご支援を宜しくお願いいたします。

 

この事業はジャパン・プラットフォームの支援により実施されています。
JPFスーダン南部HP: http://www.japanplatform.org/area_works/sudan/new-south.html


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