カポエタで子どもの年齢を測る方法(2011.06.01)

セーブ・ザ・チルドレンでは、カポエタ北郡における栄養調査を昨年に引き続き今年も3月に実施しました。25人の調査員たちが6日間の研修を受けたのち、サンプルとして総計511世帯を選び、子どもの保健・栄養状態、育児習慣や行動などについての調査を行いました。 

Nutrition Survey.pngのサムネール画像のサムネール画像 コミュニティでの調査活動の様子 

2月1日更新のブログにも書きましたが 、1人1人の子どもの栄養状態は年齢(月齢)と身長、体重をもとに確定されるため、子どもの正確な年齢を知ることが重要です。しかし、調査員の質問に答えるタポサ族の母親たちのほとんどが読み書きができず、出生届を出さないことも多いことから、年齢を確定することは困難であると当初から予想されました。このような場合、地域的な出来事や天災などを記録した「イベントカレンダー」を作成し、子どもが生まれた前後にどのような出来事があったかを母親に聞くことで子どもの年齢を推定することを行います。私たちも同様の手法を用い、カポエタ北郡の出身者が多い調査員が自ら覚えている大小の出来事―小学校の建物の建設、2010年11月12日更新のブログでも紹介したカポエタ北郡の郡長ロカイ・イコ氏の任命など―を織り込んで、かなり詳細なカレンダーを作りました。

Calender of events for Kapoeta North March 2011.jpgのサムネール画像調査チームが作成したイベントカレンダー

調査チームのリーダーであるケネディによれば、このイベントカレンダーは実際にとても役に立ちましたが、それでも母親たちが子どもたちの年齢を答えることができなかった場合も多くありました。そういう場合でも、父親や近所の人たちが何らかの出来事を覚えていることが多く、無事に年齢を推定することができたということです。 

Team Leader.JPG母親に聞き取りをするチームリーダー

今年に入ってから、雨がほとんど降らなかったため、カポエタ北郡のある東エクアトリア州では、食料が安定的に確保できない状態が続いており、食料事情はまだまだ厳しい状況です。カポエタ北郡での栄養調査の結果はこうした状況を反映しており、18.3%もの5歳未満の子どもが栄養不良であることがわかりました。(栄養不良が原因で、肺炎、マラリヤや下痢にかかり、それにより死亡する子どもたちの数は5歳未満児死亡数の中でも非常に高い割合を占めています。特に重度の栄養不良状態に陥ると、そのような疾病にかかって死亡する可能性がさらに高くなります。)

私たちはこれまで、栄養不良集中治療センターや外来サービスを通して、子どもたちの栄養改善、治療活動を行ってきました。しかし、18.3%という数字が示すとおり、まだまだ厳しい状況は続きます。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとしての活動は、5月31日をもって終了しますが、今後は、私たちと一緒に活動を行ってきたセーブ・ザ・チルドレンの南スーダン事務所が活動を引継ぎ、引き続き子どもたちの支援を行っていきます。

 

この事業はジャパン・プラットフォームの支援により実施されました。
JPFスーダン南部HP: http://www.japanplatform.org/area_works/sudan/new-south.html


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