【OPPAI PROJECT】活動レポートvol.1(2010.7.1.)
母乳で赤ちゃんを育てる習慣のないお母さんたちが赤ちゃんを母乳で育てることで子どもの命を守るプロジェクト『OPPAI PROJECT(オッパイ・プロジェクト)』。現在SCJでは、ベトナムの少数民族の女性とその赤ちゃんを対象に生後6ヶ月までの完全母乳育児を広めています。今回はその進捗状況をお知らせします。
44%〜約2人に1人の子どもが栄養不良。
昨年12月からの約1ヶ月間、支援地クアンチ省フォンホア郡とダクロン郡の70の村で、総勢23人の調査員が769人の2歳未満児とその母親を対象に栄養調査を実施しました。その結果、全体の約2分の1にあたる子どもが栄養不良であることが明らかになりました。また、母親のほとんどが、わが子が生まれた時の正確な体重を把握していなかったとのこと。妊娠中どれくらい体重を増やした方が良いかという意識を持っておらず、下痢や呼吸器系の病気に罹る子どもも多いこどなとが明らかになりました。
14%〜完全母乳育児はわずか、14%。
生後6ヶ月までしっかり母乳育児を実施すると赤ちゃんに免疫力がつき栄養不良も改善できると言われています。でも支援地での完全母乳育児の実施率はわずか14%しかありませんでした。支援地の55%がいわゆる貧困世帯と言われており、出産したばかりの女性も赤ちゃんを家に残して働きに出てしまうことが母乳育児実施率の低さにつながっているようです。また聞き取りをしたお母さんの中には、「母乳だけではお腹がいっぱいにならないわよね」と離乳食を与えるお母さんもいました。
お母さんが働きに出る間、おばあちゃんが赤ちゃんのお世話を。
C:Chau Doan/SC
172人〜現地のボランティア女性、172人ががんばっています。
こうしたベトナムの村々を巡り、母乳育児を広めていくプロモーターになるのが村の保健士やベトナム女性連盟のボランティアたちです。今年初めに、172人の現地女性にボランティア養成の研修を行いました。授乳のしかた、授乳や離乳食の時期、現地でも採れる栄養価の高い食材を使った食事のつくり方、下痢の治し方などの知識をはじめ、村の大人、とくに男性の意識を変えることの大切さも学んでもらいました。
こうして実際の活動が始まりました。母乳育児支援のための母親グループが1村に1グループずつ組織され70村で月2回の母乳育児支援セミナーが実施されています。
ボランティアを養成するトレーナーたちの研修の様子
次回は、母親や父親たちの声、ボランティアの苦労話、赤ちゃんの様子をもっとお伝えできればと考えています。これからもプロジェクトを見守ってください。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン『OPPAI PROJECT』より