台風直下の子どもたち(2009.10.05)

9月29日から10月1日にかけてベトナムを襲った台風は既にその勢いを失ったものの、暴風雨がもたらした洪水によりその被害はいまだ拡大を続けています。
10月1日夜9時の時点で子どもを含む死者は99名に達しました。台風により3,975校の学校が倒壊し、浸水した家屋は169,180にのぼることから、子どもたちの生活にも大きな影響が出ています。

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               倒壊した家屋の前で食べ物を探す子どもたち。


被災地域を訪問したベトナム人スタッフによると、今日は中秋の満月。地域のお祭りが開かれている日にも関わらず、台風ケッサナーの被災地域である子どもたちは食べ物も寝る所もないようです。
普通の子どもたちはおいしい食べ物と素敵なおもちゃ、そして親しい人から思いもよらない贈り物を夢見て今日の月を見上げていることでしょう。ところが、スタッフが訪問した台風の被災地であるクワンチ省ダクロン郡のフック ギ村とパ ヒ村の子どもたちの願いは全く異なっています。この村の子どもたちの願いは(おいしかろうが、まずかろうが)空腹を満たすことができる一かけらの食べ物と温かい服、寒さから身を守るための小さな寝床と悪い病気から身を守ってくれる蚊帳なのです。

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             明日はどうなるんだろう?学校にはいつ戻れるんだろうか。


こういった子どもたち、その家族や親戚は台風による大きな被害を受けました。台風ケッサナーがこの村の6割の家屋を吹き飛ばし、破壊した後、真夜中に鉄砲水が村を襲いました。台風に吹き飛ばされず残った家屋も、これにより大きな被害を受けました。近所の人たちが残ったわずかな食糧と洋服を被災者の人たちと分け合っています。これまで村の人たちが作り上げてきた貧困から抜け出すための様々な努力は台風により流されましたが、セーブ・ザ・チルドレンは復興のために人々とともに一丸となって取り組みます。

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暴風雨は家族の家を奪った。「今日は名月だというのにお祝いもできない」と家族は言う。


今回の災害に対し、セーブ・ザ・チルドレンでは緊急支援チームを派遣し、現地の情報を集めると共に食糧の配布など必要物資の提供を行っています。(報告:ベトナム駐在員 越川)

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         被災世帯に食糧配布を行うセーブ・ザ・チルドレンのベトナム人スタッフ









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