3年間の思いをサポーターのみなさんへ!「子どもまちづくりリーダーツアー2014」Vol.3(2014.09.06)

2014年8月8~10日の「子どもまちづくりリーダーツアー2014」。今回は、8月8日に行われた「子どもまちづくりクラブ報告会」での子どもたちの“生の声”をお伝えします!2011年6月から復興に向けて活動してきた子どもまちづくりクラブ。子どもたちはどのようなことを語ったのでしょうか?

■「それぞれ『自分として』語る姿をみれた」パネルディスカッション■

今年4年目を迎えた子どもまちづくりクラブの活動。岩手県山田町、陸前高田市、宮城県石巻市の子どもまちづくりクラブでは、小学5年生から高校生の子どもたちが定期的に集まって、子ども同士だけでなく地域の方や行政、専門家とも話し合いながら、地域の復興に向け、さまざまな活動をしています。子どもまちづくりクラブが東京で活動を伝えるのは、2012年5月5日に行われた「第2回東北子どもまちづくりサミット」、2013年11月の「子どもの権利条約フォーラム2013」の分科会以来です。当日は、子どもまちづくりクラブやセーブ・ザ・チルドレンを応援・協力してくださっている個人・企業サポーターの方々約30名が集まりました!報告会のメインである「パネルディスカッション~子どもまちづくりクラブの3年の活動を通じて~」では、三地域の子どもまちづくりクラブから、中高生メンバー2名ずつ計6名が登壇♪



■子どもまちづくりクラブを通じた一人ひとりの過去・現在・未来■
まずは、子どもまちづくりクラブに入ったきっかけ。「第一回東北子どもまちづくりサミットでした。子どもまちづくりクラブに入ってる友達に一緒に見に行かないって誘われて。行ってみて、そこで私と同じような年代の人が石巻の震災の復興に向けて、なにかしていると知って、自分もやってみたいなと」(石巻市・高1・女子・2011年11月から活動)

一人ひとりさまざまなきっかけで入った子どもまちづくりクラブ。次に、これまでの印象に残っている活動を質問。「山田町カルタの作成です。自分の生まれ育った地元なのに意外と知らないことが結構あって。でもカルタを通じて、知ることができました」(山田町・高2・女子・2011年7月から活動)と答えたメンバーは、地域の方の書いた本があり、実はその本を小学校の授業でやったことがあるという発見があったそうです。



一方、3年の歳月には大変なことも。「やっぱり学校とか部活と活動の両立が大変でした。子どもがそういう活動するっていう考え自体が私の身の回りにはあまりなかったので、それにすごい行く自分の情熱というか気持ちと、周りの人から見たら子どもが集まるだけの謎の活動ととらえられて。なんか、それで、勉強とか部活、大丈夫なのか言われたりして」(陸前高田市・高2・女子・2011年8月から活動)。
それに対してこのメンバーは「結構私は頑固なとこがあるので、でも行きますからとか言って。でも、最初はやっぱり何日もかけて行くような場所じゃないでしょみたいな感じだったんですけど、ずっとやってると少しずつ、あー行っておいでとか、勉強しておいでとか言ってくれるようになりました」と、自分で周囲の理解を得ていったよう。
他のメンバーも部活との両立が大変だったようですが、「(参加できなかった活動の)次の活動に参加する時に、話についていけないっていうのがとても嫌で。話し合いする前にメンバーやスタッフさんに前回やった活動を聞いて内容を理解してから、その活動の話し合いに入るようにしていました」(石巻市・高1・女子・2011年8月から活動)と、自分で乗り越えていったようです。

さらに、活動を続けていく中での自分の変化を「この活動に参加する前は、本当に自分に自信がなくて、鏡を見るのもすごい嫌で。なんかダメって、うつむいている自分が嫌いだなとか思ってました。学校だとどうしても友達とかに話を合わせたりして、自分の意見を言えなかったりするんですけど、子どもまちづくりクラブには3つの約束っていうのがあって。“参加・尊重・守秘”っていうんですけど、“尊重”っていう部分で、自分の意見を1つの意見として否定することなく、聞いてくれたので、あー私、話してもいいんだとか思って、だんだんポジティブになって、もっと自分の意見を言いたいとか思うようになりました」(山田町・高2・女子・2011年8月から活動)と語る姿もありました。



同時に、メンバーは将来も思い描いています。「いままでの活動を活かして、今度は子どもを支える側として、子どもを支える団体に入って、アートセラピストとして子どもの手助けをしながら、一緒にまちづくりや防災について考えていければなっ。私は、絵が好きなので、さらに一緒に作品を作って、その子どもたちの心のケアも一緒にできたらなと思っています」(山田町・高2・女子・2011年7月から活動)。理由を聞いてみると「活動を通して、子どもたちでも、たとえば周りにこれ無理だからって言われることが多いけど、こういう場だと、言ってみたら、現実になったりとか、そういうことが結構あるので、今度は言っても大丈夫なんだよーみたいな、ちゃんと実現できるよーっていうことを逆に今度は自分が教えてあげられたらなと思ったからです」と温かいまなざしで語っていました。

また別のメンバーも「自分もこういう社会福祉団体みたいな社会貢献するお仕事に就きたいなと思うようになって。うまく言えないんですけど、自分も子どもの力とかをこの活動で知れたので、まだまだ大変な子どもを助けたいなと思うようになりました」と語り、「子どもまちづくりクラブは小学生のメンバーも多いので、そこから突拍子もなかったり、すごいおもしろい意見が出たりして。あとは山田とか石巻とかもなんですけど、すごいいろんな人に意見があって、協力して、実現してってるっていうのがすごいところだなと。あと、日本で死にたくないなと。世界に飛び込んでみようかなと」(陸前高田市・高2・女子・2011年8月から活動)と語り、一人ひとりが子どものもつ力に気づき、将来に対する視野を大きく広げていました。


■漢字一文字で表現!~ぼく・わたしにとっての子どもまちづくりクラブの活動~■
最後に、登壇したメンバー全員がこれまでの活動を漢字1文字で表現!



「繋」
私にとって、子どもまちづくりクラブとはつながる場所。参加したおかげで、他の学校の人、年上や年下、地域の方々、他県の方々など普通に生活していたら、一生かかわりを持てないような人たちとつながりをもつことができました。(石巻市・高1・女子・2011年11月から活動)
「絆」
行政や地域の方々との意見交換をして、たくさんのいいアイデアが出てきたのを参考にして、子どもセンターの案にも反映して、子どもセンターができることになったと思ってます。絆があったからこそできたのだ、と思っています。(石巻市・高1・女子・2011年8月から活動)
「素」
自分が素直になれる場所で、まつしいという(地域活性化のための)キャラクターも最初はポストイットに書いてただけなんですけど、ほんとに叶っちゃって。本気で行動すれば、思ってたことも実現できるんだなと思って、ありのままの自分の意見を言えるって感じです。(山田町・高2・女子・2011年8月から活動)
「家」
KYTメンバーは、私にとって家族のような存在です。まるで家にいるような居心地感があって、家族のような団結感があって、集団で行動する、といい意味でこわい感じで。(山田町・高2・女子・2011年7月から活動)
「革」
割と地方なので、閉ざされたというか、あまり広くない世界で生きてきたんですけど、この活動は、山田だったり、石巻だったり、行かないようなところの人たちとめぐりあわせてくれたし、将来とかいろんなことに革命が起きたなって自分で感じています。(陸前高田市・高2・女子・2011年8月から活動)
「笑」
報告会やサミットなどで聞きに来てくれた人がいつも笑顔で帰ってくれるので」。そして、自分たちの活動はまちを笑顔にする活動だと思っています。(陸前高田市・中2・男子・2013年3月から活動)




■もっと私のまちをみんなに好きになってもらいたい!これからも復興に向け活動■
3年間の活動を通じた子どもたちの思い、いかがでしたでしょうか?
当日報告会に参加したサポーターからは、「子どもたちの発表を聞き、未来へと続く活動を実感できた。パネルディスカッションで、いかにこの活動を通じて、各自に良い変化が起こったかを知ることができた」「それぞれ『自分として』語る姿を見れてすごく勇気をもらいました。今度は私が東北に行って皆さんのまちの魅力を教えていただきたいです」「子どもまちづくりクラブに参加することによって、学校や家庭だけでは得られない人間的、社会的な成長の機会になっていると感じました」といった感想があがり、子どもたち一人ひとりの声や姿を通じて、気づいたことも多かったようです。

子どもまちづくりクラブメンバーもサポーターの方々へこんなメッセージを届けています。
「ここまで私たちが活動してこれたのは、サポーターであるみなさんに支援をして頂いたからだと思っています。まちづくりについて、考えるうちに、私は自分のまちがすごく大好きになって、もっと私のまちをみんなに好きになってもらえるように、もっといいまちにしていきたいなと思いました。子どもまちづくりクラブというのは、自分を表現できる数少ない大事な場でもあるから、いま参加できることにすごく感謝しています」
「僕たちの活動を支えてくれて、ありがとうございます。この活動のおかげで、僕は子どもが意見を発信しやすくする環境を整える仕事に就くという夢をもつことができました。
これからは自分たちのまちを笑顔にするために、子どもにできることをたくさんがんばりたいと思っています」

多くの方のサポートによって活動していることに感謝すると同時に、また一歩一歩、子どもの力を発揮して復興に向け進む子どもたち。そして、それを支えるサポーターのみなさんの存在。これからも、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子どももおとなも、東北も東北外も思いを一つにして、東北の復興に向けて取り組んでいけるよう、子どもたちとともに歩んでいきます。Speaking Out From Tohoku!

(報告:東京事務所 田代光恵)

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