【交通安全】12月の活動ハイライト(2015.01.19)

インドネシアの学校では12月に試験があり、試験が終わると子どもたちはクリスマスとお正月休みに入ります。そのため、12月には子どもたち向けの活動は行わず、これまで実施したワークショップの結果のまとめと今後の話し合いをしました。

まずは、10月~11月にかけて全対象校30校の子どもたち合計300人に対して行ったワークショップの結果のまとめをご紹介します。ワークショップでは、子どもたちが学校周辺の危険なエリアを自分たちで考えて地図に落とし込み、理想のマップを作成する活動を行いました。この活動を通じて、子どもたちからは以下のような声があがりました。


  • 毎日の通学路で最も危険を感じるのは、“道路を渡るとき”
  • 学校の前の道路に横断歩道を作ってほしい
  • 学校の前にスクール・セーフティ・ゾーン(School Safety Zone)と呼ばれる道路を赤く塗ったゾーンを作ってほしい
  • 学校周辺で車やバイクの徐行を促すサインボードがあったらいい
  • 道を渡るとき補助してくれる大人がいてほしい
  • インフラが整備されている学校でも、交通安全ルールを守らない車が多いため安全ではない
  • 法律を作るだけでなく、作った法律を守る仕組みを確立してほしい
  • 学校のそばにバスの降車所を作ってほしい
  • 自転車に安全に乗れるよう自転車レーンを作ってほしい
  • 快適に道路を使用できるよう歩道のゴミをきれいにしたい
  • 物売りなどで道路がふさがらないようにしてほしい
  • 壊れている/修繕が必要な道路は早急に直してほしい



  • ↑スクール・セーフティ・ゾーンや横断歩道などが設置された子どもたちの
    “理想の学校”の模型

    インドネシアの交通事情は非常に悪く、道路ではひっきりなしに車が縦断しているため、子どもたちにとっては道を渡るのも命がけです。しかし、学校の周辺にドライバーの注意を促す簡易な設備があるだけで、子どもたちの交通安全に関する大人の意識も随分変わり、事故の減少にもつながると期待できるのです。

    子どもたちのワークショップの結果は学校ごとにまとめて、2015年1月に、教育省、交通局、警察、学校関係者などに共有する予定です。この結果をもとに、本事業の中でどのような学校周辺のインフラ改善ができるか、計画を立てて実行していきます。

    また、11月に行ったジョグジャカルタ特別州の視察を受けて、12月6日に教育省、交通局、警察、その他交通安全に関連する関係者でミーティングを行いました。



    その結果、以下のような議論が交わされ、関係者間で今後も協力していくことを合意しました。

  • ジョグジャカルタで行われている交通安全教育(インドネシア語でPendidikan Etika Berlalu Lintasと呼ばれるプログラム)をバンドン市でも行っていく必要があること
  • 本事業で対象とする30校を初めとして、将来交通安全教育をバンドン市の他の学校にも広げていくため、政策改善の働きかけを行うこと
  • 各学校で設立する学校周辺のインフラ改善計画を、バンドン市交通局の2015年のインフラ計画に統合させる可能性を検討すること
  • コミュニティの交通安全意識をより上げるため、メディアを巻き込んだ継続的な活動を行う必要があること


  • インドネシアは雨期に入り、1月は特に雨の日が続いています。次回もお楽しみに!

    (インドネシア担当:清水 梢)
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