(公開日:2016.09.23)
子ども80人、おとな132人が集合!!「第7回東北子どもまちづくりサミット~ぼくらとはばたく夢のまち~」Vol.1
- 日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり
東日本大震災から5年半となる2016年9月11日。東北、熊本をはじめ全国の子ども・大人212人が一堂に会する「第7回東北子どもまちづくりサミット~ぼくらとはばたく夢のまち~」を開催しました。2011年6月下旬~7月上旬に岩手県山田町・陸前高田市、宮城県石巻市でスタートした「子どもまちづくりクラブ」。そして今年4月、地震に見舞われた熊本県益城町の子どもたち。子どもたちはどのような思いや意見を届け、参加者同士でどのような話し合いをしたのでしょうか?
■岩手・宮城・福島・熊本の子どもたち自ら、復興に向けたまちづくりや防災に関する声や活動を発表■
今回のサミットは、子どもまちづくりクラブメンバー有志10人による実行委員会形式で企画!5年間の集大成となるサミットを「記憶に残る最高のものにしたい」と協力しながら準備を進めました。
サミット前半は、子どもたちによる発表でした。子どもまちづくりクラブの発表は、なんとテレビのニュース番組形式。実行委員会で、東日本大震災から5年半の節目に特集番組が組まれたという設定を話し合い、メインキャスターと3地域の特派員とを中継でつなぐ形で行われました。特派員は、各地域で子どもまちづくりクラブが実現した場所や建物をめぐりながら、子どもたち、連携した行政、地域の方々へインタビューし、5年間の成果を報告しました。
続いて、世界のより良い防災に向けて意見を届けてきた、福島県の子どもたちによるビデオメッセージと発表を行いました。一人ひとりの視点で、地震・津波・原子力災害という複合災害を経験したからこその、思いや意見を届けました。
最後は、熊本県益城町の子どもたちが発表しました。8月に行われた子どもまちづくりリーダーツアーで初めて出会った小学5年生~中学3年生16名が、復興への思いを一つにして6つの“夢のまちプラン”を伝えました。
それぞれの地域の臨場感ある発表に、会場は真剣に耳を傾けうなずきつつ、工夫をこらした内容には思わず笑い声も。会場全体が、一体感のある空間となりました。参加者からは、「子どもも大人も本当に一緒になって、まちを良くして住みやすいまちにしているんだなぁと心に打たれた」「力強く前向きに、これからの自分のまちをよくしようとする思い、行動力に感動」「主体的に参加する青少年がおり、その場を作り意見を尊重する大人がいることが分かった」等、子どもたちの思いや意見、行政をはじめとする大人を巻き込みながら築き上げてきた5年間の活動に、驚きの声が上がりました。
各地域の子どもたちの発表の詳細は、こちらをご覧ください。
■まちづくりの経験を自分の将来へ“卒業生メンバーのメッセージ”■
サミット後半は、参加者全員で話し合いを行いました。実行委員によるアイスブレイクで会場全体が盛り上がったところで、ギター音とともに立ち上がる卒業生メンバー。「子どもまちづくりクラブで支えてもらったから、今度は私が子どもたちを支えるため学校事務の仕事をしている」「活動でまちづくりの大切さに気づき、大学でコミュニティデザインやまちづくりを専攻している」「子どもまちづくりクラブを応援していきたいと思い、スタッフとしてこの場に参加している」等、まちづくりに取り組んだ経験から、自分が見つけた将来への展望を届けました。会場からは「まちづくりに携わっていたメンバーが、それぞれの想いを胸に、これからはばたこうとする姿に感動した」と言う声も。
■参加者全員で話し合い!“東日本大震災、熊本地震の経験を、より良いまちに!”■
午前中の発表や、“卒業生のメッセージ”を受けて、北は岩手県から南は沖縄県まで、全国から参加した子どもと大人約200人が“東日本大震災、熊本地震の経験を、より良いまちに!”をテーマに、話し合いました。「インターネットが発達した現代の情報社会でも、直接意見を交わすことの威力を感じました」といった感想も出るほど、あっという間の2時間となりました。
話し合い後には、実行委員が今回のサミットのサブタイトルに込めた“ぼくらとはばたく夢のまち”にちなんで大きな羽を共同制作しました。参加者全員が、それぞれの理想とするまちの姿について、羽根の形をかたどった紙に書き込み、貼り合わせることで約200人分の大きな羽根に。できあがった羽根は、4m×2mもの大きさになりました。今回のサミットへの参加を通じて、子どもと大人、一人ひとりが願うまちの姿が、大きく羽ばたいていくようでした。
■子どもたちは地域の一員!これからも復興に向けて歩む子どもたち■
第7回東北まちづくりサミットについて、参加者からたくさんの感想が寄せられましたので、ここでご紹介します。
「みんな自分のまちが大好きだなって思った」「地域全員でまちづくりに取り組むことの大切さを学んだ」「外から情報を得ていたのと実際その現地に出て人と会って話し合ったのは全くちがって、よかった!」「みんなの意見を聞いて、子どもとおとなの悩みはちがう。だから、一緒に話し合うことはとてもいいことが改めて分かった」(子ども参加者)。
「市職員ですが、まちづくりの参考になりました」「世代を越えた(特に子どもたちの)本音を聞けたのは貴重な機会だった」「自分たち大人が子どもに何かしてあげるのではなく、子どもと子どもの関わりの中で(場が)生み出されるもの」「子どもは大人が守るものという思いが世の中で強く、大人だけでいろんな物事を決めていくのが当然になっていた気がします。子どもならではの気付きや思いをどう実際の施策に入れていくか、大人が本気で考えるべきだなと思っています」「復興とひと口に言っても、地域により、人により違うと思いますが、このように、情報共有したり、伝え合うことがとても大切だと思います」(大人参加者)。
本サミットの実施にあたって、ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!続いて、第1部の子どもたちの発表についての詳細をご報告します。
(報告:東京事務所 田代光恵)