子どもたちの発育を考える栄養強化月間

ミャンマーでは、8月を世界母乳育児週間に合わせ栄養強化月間と定めています。保健省や郡保健局などが中心となって、キャンペーンが各地で開催されました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、バゴー地域オークトゥイン、カレン州ミッチーナで栄養啓発キャンペーンを行い、妊産婦さんやお母さん、そして子どもたち総勢918人がイベントに参加しました。今回のイベントの目的は、お母さんや保護者に子どもの栄養の重要性を知ってもらい、子どもの発育において必要な栄養の知識を増やしてもらうことでした。

バゴー地域オークトゥインでは、小学生とその保護者を対象に、栄養に関するさまざまゲームを実施しました。「食べ物塗り絵ゲーム」や「食品グループ分けゲーム」などに挑戦する子どもたちは終始真剣な顔つき。また、子どもたち自身が、自分たちの体の発育や栄養の重要性を歌やドラマを通して表現するイベントでは、とても誇らしげに演技する姿が印象的でした。最後には、「もっとゲームを続けたい」という子どもたちの声が多く聞かれました。


「食品グループ分けゲーム」答え合わせの時間

もう一つの活動地ミッチーナも、タウンシップヘルス保健局協力の下、妊産婦さんやお母さんを対象にイベントを実施しました。イベントを通してお母さんたちに伝えたかったことは、「子どもの命、子どもの将来は、妊娠から生後24か月までの1000日で変わる」ということでした。子どもの発育にとって、妊娠中および生まれてすぐの栄養はとても重要です。参加した約80人のお母さんに対して、食品の衛生管理に関するレクチャーや料理実習などを行いました。また、「母乳育児コンテスト」といった母乳を適切に行っているお母さんを決める面白いイベントもあり、お母さんにとって子どもの栄養を考える大切な1日となったようでした。


母乳育児コンテストに挑戦するお母さん

オークトゥインでの活動を指揮したのが、シニア・プロジェクト・マネージャーで医師でもあるハン・セッ・ルーさんです。

「私がこのイベントで一番記憶に残っていることは、『子どもの発育に関わる父親と母親の役割』と題した議論の時間でした。子どもたちが、栄養や母乳に大切なさまざまな事例を紹介したのですが、それに対して多くのコメントが出され、とても感動しました。また子どもたちが今回のテーマソング『We are the world』を熱唱するシーンは忘れない瞬間となりました。イベントを実施した2地域ともに、コミュニティの方々がとても興味を示して参加してくださったことはとても嬉しかったです。


ハン・セッ・ルー シニア・プロジェクト・マネージャー

今回のイベントで私たちが参加者に伝えたかったことは、『すべての子どもたちは、健康に生きる権利がある』ということです。2歳までに十分な栄養が与えられないと、子どもの身体および精神の発達にとって、大きなリスクになります。今回のイベントで、参加したみなさんが今後、子どもへの栄養と真剣に向き合う機会になればと思います。最後に、日本の皆様からこのような心温まる機会をいただき、スタッフ一同とても感謝しております。」

(報告:海外事業部 藤野)

本事業は、皆さまからのご支援と、資生堂「花椿基金」のご支援により実施しました。

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