(公開日:2022.09.05)
【バングラデシュ】子どもの保護システム強化事業:第1年次を終了し、第2年次を開始しました
- バングラデシュ
2021年3月31日より実施していたバングラデシュ・コックスバザール県における子どもの保護システム強化事業は1年間の事業期間を終了しました。その後、2022年3月31日から第2年次として活動を開始しました(事業の背景や活動詳細は第1年次事業開始時のブログをご覧ください)。
※子どもの保護とは、暴力や虐待、搾取から子どもたちを守ったり、それらの被害を受けた子どもたちを支援したりする活動です。
地域の人たちによる、地域住民への子どもの保護に関する啓発セッションの様子
バングラデシュで暮らす子どもの中には虐待や児童婚、児童労働などのリスクに晒されている子どもが多くいます。このような子どもの安全を脅かす課題は多岐にわたり、課題同士が関連していることが多いほか、一人の子どもが複数の課題やリスクに直面していることもあります。
そのため、特定の課題への対応だけではなく、包括的に支援する体制となる子どもの保護システムの構築が必要となっています。しかし、バングラデシュでは、子どもの保護システムが十分に機能していないことが課題になっていました。
そこで、この事業では、主に3つの柱で活動を実施しています。第1年次の事業成果と今後の取り組みを紹介します。
【1. 地域の子どもの保護システムの強化】
第1年次では、地域で子ども支援に中心的に取り組む組織として、地域子どもの保護委員会・地域子どもグループが新たに形成されました。これらのグループが地域の子どもや養育者に対し、虐待や搾取などについて伝える活動を実施しました。実際に、私たちの事業を通して、これらの課題に直面する子どもの特定、対応が行われるようになっており、地域の子どもの保護に関する問題への対応能力が向上してきています。
今後も、地域子どもの保護委員会・地域子どもグループの新たな形成や能力強化を継続し、地域住民が中心となって、子どもの保護に関する課題に対応していけるよう支援していきます(地域子どもの保護委員会の活動については、こちらで詳しく紹介しています)。
地域子どもの保護委員会への研修の様子
【2. 行政の子どもの保護システムの強化】
子どもを支援するさまざまな行政職員(例えば担当省庁や警察、司法関係など)の能力強化を行いました。また、行政とともに、行政職員が子どもを支援する際の手順書の作成を開始しました。
今後も行政職員への能力強化を続けていくほか、行政職員が子どもを支援する際の手順書の完成と運用を目指します。さらに、行政職員の能力強化のための研修パッケージを行政と連携して作成し、さまざまな分野の職員が協働して子どもたちを支援する仕組みを整えていきます。
行政職員への研修の様子
【3. 政策提言活動】
国会議員や報道機関への政策提言や情報提供を実施し、子どもの保護システム強化に関する重要性を周知しました。今後、第1年次、第2年次の活動から得た学び・教訓を取りまとめ、事業が他の地域にも展開されるモデルとなるよう、政策提言を行っていく予定です。
国会議員へ子どもの保護システム強化の重要性を訴えている様子
(右奥の紫色の服を着た男性がセーブ・ザ・チルドレン職員)
活動を通して、子どもたちをはじめ地域の人たちが、自身が暮らす地域の課題に気づき、子どもたちを守るための行動を取り始めています。引き続き、地域住民や地域社会、行政機関と密に協働し、バングラデシュの人たちがバングラデシュに暮らす子どもたちを守ることができるように、セーブ・ザ・チルドレンは支援を続けていきます。
本事業は皆様からのご寄付と、外務省日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。
(海外事業部 田部井梢)
地域の人たちによる、地域住民への子どもの保護に関する啓発セッションの様子
バングラデシュで暮らす子どもの中には虐待や児童婚、児童労働などのリスクに晒されている子どもが多くいます。このような子どもの安全を脅かす課題は多岐にわたり、課題同士が関連していることが多いほか、一人の子どもが複数の課題やリスクに直面していることもあります。
そのため、特定の課題への対応だけではなく、包括的に支援する体制となる子どもの保護システムの構築が必要となっています。しかし、バングラデシュでは、子どもの保護システムが十分に機能していないことが課題になっていました。
そこで、この事業では、主に3つの柱で活動を実施しています。第1年次の事業成果と今後の取り組みを紹介します。
【1. 地域の子どもの保護システムの強化】
第1年次では、地域で子ども支援に中心的に取り組む組織として、地域子どもの保護委員会・地域子どもグループが新たに形成されました。これらのグループが地域の子どもや養育者に対し、虐待や搾取などについて伝える活動を実施しました。実際に、私たちの事業を通して、これらの課題に直面する子どもの特定、対応が行われるようになっており、地域の子どもの保護に関する問題への対応能力が向上してきています。
今後も、地域子どもの保護委員会・地域子どもグループの新たな形成や能力強化を継続し、地域住民が中心となって、子どもの保護に関する課題に対応していけるよう支援していきます(地域子どもの保護委員会の活動については、こちらで詳しく紹介しています)。
地域子どもの保護委員会への研修の様子
【2. 行政の子どもの保護システムの強化】
子どもを支援するさまざまな行政職員(例えば担当省庁や警察、司法関係など)の能力強化を行いました。また、行政とともに、行政職員が子どもを支援する際の手順書の作成を開始しました。
今後も行政職員への能力強化を続けていくほか、行政職員が子どもを支援する際の手順書の完成と運用を目指します。さらに、行政職員の能力強化のための研修パッケージを行政と連携して作成し、さまざまな分野の職員が協働して子どもたちを支援する仕組みを整えていきます。
行政職員への研修の様子
【3. 政策提言活動】
国会議員や報道機関への政策提言や情報提供を実施し、子どもの保護システム強化に関する重要性を周知しました。今後、第1年次、第2年次の活動から得た学び・教訓を取りまとめ、事業が他の地域にも展開されるモデルとなるよう、政策提言を行っていく予定です。
国会議員へ子どもの保護システム強化の重要性を訴えている様子
(右奥の紫色の服を着た男性がセーブ・ザ・チルドレン職員)
活動を通して、子どもたちをはじめ地域の人たちが、自身が暮らす地域の課題に気づき、子どもたちを守るための行動を取り始めています。引き続き、地域住民や地域社会、行政機関と密に協働し、バングラデシュの人たちがバングラデシュに暮らす子どもたちを守ることができるように、セーブ・ザ・チルドレンは支援を続けていきます。
本事業は皆様からのご寄付と、外務省日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。
(海外事業部 田部井梢)