(公開日:2023.02.22)
【ウクライナ危機】ウクライナ危機から1年:子どもたちのいま
- ウクライナ
ウクライナ危機が発生し、2月で1年が経ちます。
2022年2月24日以降、国連が発表した民間人の死傷者は1万8,400人を超えました。また、1,270人以上の子どもが負傷または亡くなっています。1 日々新たな報告があるたびに、死傷者数は増えていますが、実際の被害はもっと深刻な可能性もあります。
また、戦闘が止んだ地域でも、広大な土地が爆発物や不発弾、地雷によって、非常に危険な状態にあります。実際に、不発弾や地雷による民間人や子どもの犠牲者は毎週のように報告されています。2
危機が始まって1年、ウクライナの子どもたちを取り巻く状況は日に日に悪化し、人道支援の必要性はさらに高まっています。ウクライナ東部の子どもたちは、2014年からすでに9年間も紛争を経験しており、この1年はさらに深刻な影響を与えるでしょう。
今般の危機を受け、ウクライナのほとんどすべての子どもにあたる750万人が、身体的・精神的苦痛、強制的な避難などに直面しています。3 子どもたちが持つ回復力を過小評価するべきではありませんが、紛争が子どもたちのこころにもたらす影響もまた、過小評価されるべきではありません。紛争が長引き戦闘が続くことで、子どもの保護、精神保健・心理社会的支援(こころのケア)、食料、保健・栄養、教育、水・衛生といった分野における子どもへの支援がさらに求められています。
セーブ・ザ・チルドレンの活動
セーブ・ザ・チルドレンは、2014年からウクライナ東部で活動しています。2022年2月24日以降、私たちは、活動を大幅に拡大してきました。現在、私たちはウクライナ国内で27のパートナー団体と連携し、2014年の紛争勃発以来実施してきたように、今般の危機の影響を受けている子どもたちと家族が必要な支援を受けられるように活動を行っています。また、ポーランドやルーマニア、モルドバ、リトアニアといったウクライナ周辺国や、その他ヨーロッパ各国でも、難民を対象とした支援を実施しています。
ウクライナでは、43万6,500人の子どもたち(女子22万8,300人、男子20万8,200人)を含む80万人以上に、周辺国(ポーランド、ルーマニア、モルドバ、リトアニア)では、16万人以上の子どもたちを含む約28万人に支援を届けてきました。
加えて、私たちは現金やバウチャー支援、食料、安全な水、衛生用品などを提供し、子どもたちや家族の喫緊のニーズにも応えてきました。そして、「こどもひろば」を通じた安心・安全な場所でのレクリエーションの提供や、子どもたちが安全で質の高い教育を受けられるような支援、学校やコミュニティセンターと協力した精神保健・心理社会的支援(こころのケア)を実施しています。
今後の支援について
ウクライナ危機は終息の目途が立っておらず、子どもたちへの長期的な影響が懸念されます。今後も、紛争下における子どもたちの権利を守るためにこれまで行ってきた支援を継続することが重要です。ウクライナ国内での支援だけでなく、周辺国に避難している難民に対しても、避難生活が中長期化する中で、教育や医療などの基本的サービスの利用を含め支援を行っていきます。
また、紛争によって影響を受けた子どものこころのケアも行っていく必要があります。たとえば、私たちは子どもたちへの直接的な支援だけでなく、養育者や教員など子どもと関わる人たちへ、子どものストレスに対処するツールキットを提供したり、精神保健・心理社会的支援(こころのケア)の専門家へのインタビューを通して、紛争が子どもの心にもたらす影響について報道機関を通して発信するなどの活動も行っています。
すべての子どもは、どこに住んでいようと、安全で、幸せかつ健康的な生活を送る権利があります。
ウクライナ危機の影響を受ける子どもたちの、いまと未来の生活を支えるために今後も支援活動を行っていきます。
(海外事業部 清水奈々子)
1.https://www.ohchr.org/en/news/2023/01/ukraine-civilian-casualty-update-23-january-2023 (as of 23 January 2023)
2. https://reports.unocha.org/en/country/ukraine/card/7zDXryKIJX/
3. https://www.savethechildren.net/news/escalation-hostilities-across-ukraine-putting-75-million-children-risk
2022年2月24日以降、国連が発表した民間人の死傷者は1万8,400人を超えました。また、1,270人以上の子どもが負傷または亡くなっています。1 日々新たな報告があるたびに、死傷者数は増えていますが、実際の被害はもっと深刻な可能性もあります。
また、戦闘が止んだ地域でも、広大な土地が爆発物や不発弾、地雷によって、非常に危険な状態にあります。実際に、不発弾や地雷による民間人や子どもの犠牲者は毎週のように報告されています。2
危機が始まって1年、ウクライナの子どもたちを取り巻く状況は日に日に悪化し、人道支援の必要性はさらに高まっています。ウクライナ東部の子どもたちは、2014年からすでに9年間も紛争を経験しており、この1年はさらに深刻な影響を与えるでしょう。
今般の危機を受け、ウクライナのほとんどすべての子どもにあたる750万人が、身体的・精神的苦痛、強制的な避難などに直面しています。3 子どもたちが持つ回復力を過小評価するべきではありませんが、紛争が子どもたちのこころにもたらす影響もまた、過小評価されるべきではありません。紛争が長引き戦闘が続くことで、子どもの保護、精神保健・心理社会的支援(こころのケア)、食料、保健・栄養、教育、水・衛生といった分野における子どもへの支援がさらに求められています。
ウクライナとルーマニアの国境で、セーブ・ザ・チルドレンの支援を受ける家族
(2022年4月)
(2022年4月)
セーブ・ザ・チルドレンの活動
セーブ・ザ・チルドレンは、2014年からウクライナ東部で活動しています。2022年2月24日以降、私たちは、活動を大幅に拡大してきました。現在、私たちはウクライナ国内で27のパートナー団体と連携し、2014年の紛争勃発以来実施してきたように、今般の危機の影響を受けている子どもたちと家族が必要な支援を受けられるように活動を行っています。また、ポーランドやルーマニア、モルドバ、リトアニアといったウクライナ周辺国や、その他ヨーロッパ各国でも、難民を対象とした支援を実施しています。
ウクライナでは、43万6,500人の子どもたち(女子22万8,300人、男子20万8,200人)を含む80万人以上に、周辺国(ポーランド、ルーマニア、モルドバ、リトアニア)では、16万人以上の子どもたちを含む約28万人に支援を届けてきました。
加えて、私たちは現金やバウチャー支援、食料、安全な水、衛生用品などを提供し、子どもたちや家族の喫緊のニーズにも応えてきました。そして、「こどもひろば」を通じた安心・安全な場所でのレクリエーションの提供や、子どもたちが安全で質の高い教育を受けられるような支援、学校やコミュニティセンターと協力した精神保健・心理社会的支援(こころのケア)を実施しています。
セーブ・ザ・チルドレンがルーマニアに設置した「こどもひろば」(2022年3月)
ウクライナの子どものためのサマースクールを訪問した元ウクライナ代表サッカー選手のアンドリー・シェフチェンコ氏(ポーランド、2022年7月)
キーウの住宅地にある、破損した公園の様子(2022年11月)
今後の支援について
ウクライナ危機は終息の目途が立っておらず、子どもたちへの長期的な影響が懸念されます。今後も、紛争下における子どもたちの権利を守るためにこれまで行ってきた支援を継続することが重要です。ウクライナ国内での支援だけでなく、周辺国に避難している難民に対しても、避難生活が中長期化する中で、教育や医療などの基本的サービスの利用を含め支援を行っていきます。
また、紛争によって影響を受けた子どものこころのケアも行っていく必要があります。たとえば、私たちは子どもたちへの直接的な支援だけでなく、養育者や教員など子どもと関わる人たちへ、子どものストレスに対処するツールキットを提供したり、精神保健・心理社会的支援(こころのケア)の専門家へのインタビューを通して、紛争が子どもの心にもたらす影響について報道機関を通して発信するなどの活動も行っています。
ウクライナ・キーウ郊外の学校で2歳のセラピー犬、ゴールデンレトリバーのパーカーと抱き合うアンドレイさん(14歳)(2022年12月)
すべての子どもは、どこに住んでいようと、安全で、幸せかつ健康的な生活を送る権利があります。
ウクライナ危機の影響を受ける子どもたちの、いまと未来の生活を支えるために今後も支援活動を行っていきます。
(海外事業部 清水奈々子)
1.https://www.ohchr.org/en/news/2023/01/ukraine-civilian-casualty-update-23-january-2023 (as of 23 January 2023)
2. https://reports.unocha.org/en/country/ukraine/card/7zDXryKIJX/
3. https://www.savethechildren.net/news/escalation-hostilities-across-ukraine-putting-75-million-children-risk