(公開日:2023.06.13)
自治体向け「安心安全な子ども参加のための確認ポイント」を作成しました
- アドボカシー
2022年6月に成立し、今年4月より施行されたこども基本法においては、基本理念として年齢や発達の程度に応じたこどもの意見表明機会の確保やこどもの意見の尊重が掲げられました。
また、第11条ではこども施策の策定などにあたりこどもの意見の反映に係る措置を講ずることが、国や地方公共団体に対し義務付けられました。
これを受けて今年度から、全国の自治体において「子ども参加」の仕組みの構築と実践が求められることとなります。
このような動きの中、セーブ・ザ・チルドレンは、「子どもの意見表明権」に基づいた子ども参加が全国の自治体で進められるよう、「安心安全な子ども参加のための確認ポイント」を作成しました。
今年5月16日には、自治体での子ども参加の取り組みが子どもの権利を基盤として進められるよう、自治体職員を対象とした「意義ある子ども参加を進めるための勉強会」を開催し、本リストを参加者に共有しました。
子ども参加における安心・安全とは、子どもの権利に反する行為や危険を防止し、子どもが安心して安全に活動できるようにすることです。
そのためには、参加の取り組みに関わる大人が、事前にリスクを分析・予防したうえで、子どもが自由かつ主体的に意見を表明できるようにすることが重要です。
子ども参加のリスクは、例えば、子どもの個人情報の漏洩やメディアでのバッシング、大人による子どもの発言への圧力や形だけの子ども参加など、多岐にわたります。
そのため子ども参加の場を企画・運営する際には、子どもたちの安心・安全が継続的に担保される環境を創出することが重要です。
本リストは、子どもが意見表明を行う対面集合型やオンライン形式のワークショップなどを想定し、主催者などが企画段階で、また、企画実施の現場や最中に確認すべき特に重要な視点をリスト化したものです。
「確認ポイント」はエクセルのシート3枚で構成されており、1枚目には子どもの権利や子ども参加、安心・安全についてなど、子ども参加を行う上で知っておくべきことが簡潔にまとめられています。
2枚目のシートでは、企画、実施環境、人材、参加者の同意、大人の聴く姿勢、企画実施後の対応、オンライン利用時の安全性の担保、メディア対応などについて、子どもの安心・安全を担保するために押さえておくべき重要なポイントをまとめており、自治体の子ども参加担当者が現場でチェックをしながら、それぞれにポイントの確認ができるようになっています。
続く3枚目のシートには、子どもと接するうえでの注意事項の参考となるよう、セーブ・ザ・チルドレンが活動に関わるすべての関係者向けに作成・使用している「子どものセーフガーディングのための行動規範」を載せています。2枚目のシートは、必要に応じて各自治体で項目の追加・編集が行えるようになっています。
ただし、「確認ポイント」に記載している事項が、子ども参加企画において子どもの安心・安全を担保するために要する配慮事項の全てを網羅しているわけではないことに、ご留意ください。
それぞれの地域で継続して安心・安全な子ども参加を実現するためには、地域の実情や活用できる資源、子ども参加の段階などを鑑みながら、時間をかけて子どもと大人とが共に創意工夫を凝らした取り組みを進めることが必要です。
さらなる確認ポイントの整理のためには、セーブ・ザ・チルドレン発行の「子ども参加のための9つの基本的要件」を含め、他のチェックリストなど参考資料もあわせてご参照ください。
本リストが全国の自治体で活用され、安心・安全な子ども参加が実現されるよう、セーブ・ザ・チルドレンはこれからも活動を続けていきます。
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【お願い】
確認ポイントについてのご感想やご質問、また加筆・修正しご活用いただく場合は、セーブ・ザ・チルドレン(japan.advocacy@savethechildren.org)までご連絡ください。
【お問い合わせ】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシー部(担当:山内、武田)
メールアドレス:japan.advocacy@savethechildren.org
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