【実施報告】「高校生活まなびサポート」の利用者へのヒアリングを進めています




セーブ・ザ・チルドレンは、経済的・生活上困難な状況にある世帯の子どもが、高校などへの入学、高校就学時の生活やまなび*を経済的不安なく過ごし、自分らしい進路選択ができることを支えるため、2022年秋より継続型の給付金「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 ~高校生活まなびサポート~」を宮城県石巻市で開始しました。


2023年2月には2次募集を行いました。中学3年生から高校2年生世代まで21件の申請があり、11世帯11人への給付を決定しました。なかには、生活状況などの理由で保護者からの申請が困難で、支援団体を経由して、申請にいたる世帯もありました。


保護者からは、給付金の利用使途として、「授業料や通学費、修学旅行費」や、「制服代、学校通学用などの服の購入」、「塾代」、「パソコン購入」、「携帯代」、「部活動の費用」などに使いたいといった声が寄せられました。


また、子ども自身が主体的に給付金の活用方法を考えて利用してほしいという思いから、給付金を何に活用したいか、子どもたちの希望を尋ねました。


子どもからは、「昼食代」、「授業料、教科書代、参考書など」、「私服代(学校通学用として)」、「部活の費用」、「パソコンの購入」、「修学旅行費」、「定期代」などに使いたいといった声がありました。


そのほか、子どもからは、「授業終了後は、部活をせず、帰宅し、家事をしたり、介護が必要な家族の面倒を見ている」など、生活上の課題を訴える声や「高校に進学して、バイトなどで家族の生活を助けたいと思っていたが、部活と通学に時間がかかるためできそうにない」など家計を案じる声などがあがっています。




給付決定後、私たちは、利用世帯のうち複数の家庭を直接訪問したり、オンラインや電話などで、申請の背景や給付金が決まった時の様子、今後何に利用したいか、現在の生活状況などを聞いています。


保護者からは、「1回だけの給付ではなくて、毎月振り込まれるのがありがたい」という声や、「定期券を買いたくても買えない時があったので安心した」、「これで子どもに負担をかけずに勉強に専念させてあげられる」というような声が聞かれました。


また、「高校入学にあたりお金がたくさんかかるので助かった」と給付金が学校にかかる費用負担に役立ったことや、「子どもが気に入った部活に入ることができた」と子どもの選択肢の幅が広がったこと、「毎月入金されることで、子どもが(お金を)計画的に活用する意思が芽生えた」と、子ども自身の成長が見られたことなど、給付金がさまざまな側面から役立っている様子がうかがえました。


セーブ・ザ・チルドレンの「子ども給付金 ~高校生活まなびサポート~」は継続型の給付金事業であり、世帯によっては最長で約3年半にわたり、子どもたちの生活やまなびを支えることができます。


子どもたちや各世帯に寄り添いつつ、子どもたちが経済状況によらず、自分自身の希望する進路やまなびを選択できるようなサポートを続けていきます。



*学習や就学に限らず、課外活動、スポーツ・文化・芸術活動など広くとらえるため、「学び」ではなく「まなび」としています。


セーブ・ザ・チルドレンでは高校生活まなびサポート以外にも、子どもの貧困問題解決に向けさまざまな取り組みを行っています。活動の最新情報は随時こちらのページで更新しています。ご関心がある方はぜひご覧ください。


(報告:国内事業部 伊藤)
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