【2022年8月大雨緊急・復興支援】新潟県の被災地域を訪問

セーブ・ザ・チルドレンは、2022年8月の記録的な大雨による影響を受けて、特に深刻な被害が報告された新潟県を中心に、被災した子どもたちへの緊急・復興支援を実施しました。

2022年8月中旬に、関係団体や自治体からの聞き取りをもとに、放課後児童クラブ(学童保育)や保育園を間借りしている子どもたちの居場所に必要な遊び道具や備品などの緊急支援を届け、その後も継続的に連絡を取りながら支援活動を行ってきました。

今回、発災から約10ヶ月近くが経ち、被災し使えなくなっていた学童保育、保育園の施設が再開したとの知らせを受け、2023年6月上旬、再度現地を訪問したときの様子を紹介します。




学童保育
発災直後に訪問した際は、床上浸水の影響で、床面をあげ骨組みが見えている状態でしたが、修繕された学童保育では、新しいピカピカの床や畳の上で元気いっぱいに過ごす子どもたちの姿がありました。
「つぎ、追いかけっこの時間だから、一緒にやらない?」、「何してるの?いれて!」、「いいよ」、「(カード当てゲームで)間違えちゃったから、自分の手札になるんだよ」など、活発に遊んでいました。



施設の再開までは、小学校の教室の一部を間借りして過ごしていましたが、使用できる場所や時間などが被災前とは異なり、限られた環境の中で、我慢することも多かったのでないかと、職員も話していました。

そのような中、セーブ・ザ・チルドレンから支援したテントやトランポリンは、子どもたちに好評だったとの声もありました。テントは3人から4人で中に入ると少し特別な気持ちになるようで、訪問した際もテントに子どもがいて、楽しくおしゃべりをして過ごしていました。

体育館が使用できない期間には、順番待ちの行列ができるほどトランポリンは人気が高く、1回の利用時間を決めて、子どもたち自身で時間を計って交代するなど工夫して使っていました。
 



保育園
学童保育と同様に、保育園でも施設の床上浸水により、床面・壁面の張り替えが必要となり、家具や備品のほぼすべてを浸水により廃棄せざるを得ない状況でした。
施設の工事が完了するまでは、近隣の保育園に送迎するなど、保育士も分散して保育を行っていたそうです。

そうした困難がある中でも、職員同士で連絡を取りながら運動会や卒園式などは場所を借りて園単独で実施してきたようで、改めてもとの施設で、皆がそろって保育が再開できた喜びを園長が話していました。

 

(職員から浸水した高さを示してもらっている様子)

再開された初日、子どもたちは、目を丸くして「どこのお部屋にいったらよいの?」と、きれいになった保育園に喜んでいた様子だったそうです。

園長からは、「おままごと用の木製のキッチンなど、高価な遊び道具も浸水してしまい、また、毎日子どもたちが使うため、衛生面からも心配で困っていたが、支援のおかげで新しくすることができて良かった」と、話がありました。一部準備中の部屋もまだありましたが、園が再開し、保育士たちはもちろん、保護者も安堵したとのことです。



   

今回の訪問で、施設が浸水被害に遭い大規模な修繕が必要になる場合、海外からの部品が使われている資材の調達に、相当の時間がかかってしまう現状が分かりました。

また、小学校で浸水した床の一部は、今後夏休みの期間に工事予定ということで、まだ修繕が完了していない箇所もありました。

台風や大雨によって施設が被災した場合、その復旧・再開までには資材調達の問題などをはじめかなりの期間を要します。その間、子どもたちはもとの生活と比べて不自由な中での活動を強いられるため、私たちは引き続き、災害直後のみならず復旧・復興に向けた中長期的な関わりを持って活動を行っていきます。


※今回紹介した声は、原文から一部抜粋し文意の変わらない範囲で編集しています。


(報告:国内事業部 今井知恵子)
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