(公開日:2012.11.07)
高校生がデザインする気仙沼の新しいOh!BENTO!
~地元の中高生からはじまるイノベーション・クラブ活動i.club活動報告(3)~(2012.11.7)
- 日本/東日本大震災/教育
ソニー株式会社とセーブ・ザ・チルドレン協働の東日本大震災復興支援プロジェクト「RESTART JAPAN」で支援しているi.clubが、トライアルプログラムの発表会を行いました。高校生たちは、前回までのワークショップで発見したたくさんの気仙沼の「いいね!」をどのようにOh!BENTO!(お弁当)を通して表現したのでしょうか?
■気仙沼のOh!BENTO!のアイデアをみんなに届けよう!
全3回で構成されるOh!BENTO!ワークショップの最終回となる第3回は「伝える」の回です。前回の「形にする」の回では、インタビューとフィールドワークからみつけたイノタネ(イノベーションのタネ)を使って、新しいOh!BENTO!のアイデアを作り出しました。今回は、前回のアイデアをより洗練させた後、効果的な発表の方法を学び、練習しました。
そして、気仙沼の方々の前でチームごとにアイデアの発表会を行いました。
最後に、今回のi.clubの活動を通して、高校生がどのように変化したと自分で感じたのかを発表してくれました。
■アイデアを整理する!
誰に、どのように変わってもらいたいのか、そして、自分たちのOh!BENTO!がどのようにその変化を実現するのかをi.club特製のイノベーション・シートを用いて、整理しました。さらにOh!BENTO!の中身をイラストで描いたり、キャッチコピーをつけたりすることで、アイデアをより具体化させました。
■スキットでアイデアを表現する!
自分のOh!BENTO!が人を変える様子を分かりやすく聞く人に伝える為に、そして、アイデアを考える時にOh!BENTO!を通じての変化が本当に起こりそうか、確認する為に、有効な方法の一つとしてスキット(寸劇)を学びました。
スキットで重要なポイントは、(1)見ている人がみんな共感できること(2)見ている人に聞こえる声でしゃべること(3)恥を捨てること。
短い準備時間だったにもかかわらず、高校生たちはしっかりスキットのコツを飲み込んでいました。
■4つのチームの4つのOh!BENTO!
今回は4つのチームが、自分たちのOh!BENTO!を食べると、人がどう変化するのかを中心に、人々にアイデアを伝えました。どれも彼らが実施したインタビューとフィールドワークから生まれたOh!BENTO!のアイデアです。
”あんだ、食べるっちゃ弁当”、”全部メインのいろいろお試食弁当”、”4時間目の終わりを待ちわびた、あのころの給食弁当”、”今日も明日も気仙沼三昧弁当”。
高校生ならではの発想の切り口、学んだばかりのツールを駆使してプレゼンする力、そして何より彼らの自分のアイデアをみんなに伝えたいという情熱に、地元の方々やi.club leaderも驚き、心を動かされたようです。
■Oh!BENTO!アイデアを実現へ!
今回のアイデアには、まだ伸ばしていかなくてはならないところがあります。しかし発表を終え、最後までやり抜くことができた高校生の顔には最高の笑顔がありました。
今後はこの笑顔を広く伝えていく為に、フードデザイナー、イラストレーター、そして地元の方々の力をお借りして、これらのアイデアを実際のお弁当として実現していく予定です。
■振り返りシートで活動を振り返る
最後にi.clubに参加する前の自分が、i.clubの活動を通して、どう変わったのを発表してもらいました。
「気仙沼がただ好き」だったが、i.clubの活動で地元の「いいね!」をみつけることで、「気仙沼の○○が好き!もっとしりたい!」に変わった子や、「どちらかというとこういったことが面倒」と思っていた子が、自分で考えてアイデアを発表することで、「いままでより積極的に発言できるようになった!知識欲がでてきた!」に変わるなど、大きな変化を高校生自身が実感していました。
今回の活動で活躍してくれたメンバーは、次のi.clubの活動でも中心を担ってくれるはずです。今後もOh!BENTO!の販売実現や、新メンバーを加えまったく新しいことにも挑戦する彼からまだまだ目が離せません。
「気仙沼に中国から高校生30人がやってきた!」~i.club活動報告(1)~
「高校生がデザインする気仙沼の新しいOh!BENTO!」~i.club活動報告(2)~
(報告:仙台事務所 宮川淳)