11月12日、国連が定めた「世界肺炎デー」にあたり、セーブ・ザ・チルドレンは、世界各国で様々な啓発活動を行い、国際社会に向けて、肺炎撲滅に向けて世界規模での取り組みを行うよう訴えました。
肺炎撲滅に賛同してくださった皆さんに、ソーシャルメディアの
プロフィールに青い風船を掲示していただきました。
日本においても多くのかたにご賛同いただきました。
<肺炎について>
肺炎は、5才未満の子どもの命を奪う最大の要因となっている病気です。肺炎による子どもたちの死亡数は1日あたり3,000人、すなわち20秒におよそ1人の確率で子どもたちが亡くなっている計算になります。これは、エイズ、マラリア、はしかにより死亡する子どもたちの合算数を上回る数で、子どもたちの生死にかかわる大きな脅威となっています。
肺炎を患うと以下の症状が現れます。
・呼吸困難 | ・せき | ・熱 |
・悪寒 | ・食欲減退 | ・ぜいぜいとした息 |
症状が深刻になると、子どもたちの呼吸機能に大きな影響が生じ、幼児においては、飲食が困難となり、意識不明になったり低体温やけいれんを引き起こすこともあります。
健康な子どもたちは肺炎に対する抵抗力がありますが、免疫が低下している子どもたちは高いリスクにさらされます。子どもたちの免疫力の低下は、栄養不良や栄養不足に起因する場合があり、特に母乳で育てられていない幼児において懸念されます。また、HIVに感染していたり、はしかにかかっているなど、すでに病気を患っている場合、肺炎に感染するリスクが高まります。
また、次のような環境は肺炎リスクを高めます:
(参考:WHO Pneumonia Factsheet, Aug 2009)
<子どもたちの命を守るために>
世界の多くの人びとは、医療ケアや抗生物質の投与を受けることで、簡単に肺炎から命を守ることができています。しかし、最も貧しい暮らしを強いられている国々では、子どもたちは簡単な医療すら受けることができないまま、多くのかけがえのない命が奪われています。
このような状況は変えることができます。たとえば、たった8ドル(約660円)あれば地域に根ざして子どもの肺炎治療にあたることができる保健従事者(コミュニティ・ヘルス・ワーカー)を育成することが可能です。最近エチオピアでは、子どもたちの肺炎の症状を発見し、適切な治療を行うことができるコミュニティ・ヘルス・ワーカーを育成し、今後5年のうちに30万人以上の子どもの命を救おうという政策決定がなされました。また、世界では、子どもたちの命を守るため、肺炎用のワクチンを、最貧国でも低価格で入手可能なものとしようとする動きもあります。
しかしながら、依然、180万人の子どもたちの命が肺炎により命を落としているという事実を見過ごすわけにはいきません。
<「世界肺炎デー」セーブ・ザ・チルドレンの取り組み>
子どもたちの命を守るため、セーブ・ザ・チルドレンは世界各国において肺炎撲滅を国際社会に訴えました。
[活動の一例] | ||
・イエメン&バングラデッシュ | : | 肺炎撲滅を訴える青い風船を大空にリリース。 |
・エチオピア&パキスタン | : | 肺炎撲滅を訴える公共放送をオンエア。 |
・アメリカ(ワシントン) | : | 肺炎撲滅を訴える青いコスチュームをまとったキャラクターが街をねり歩き啓発。 |
・アジア地域(日本含む) | : | 肺炎撲滅の趣旨に賛同してくださるかたにツイッターなどのソーシャルメディアのプロフィール写真に青い風船マークを付けていただくことを訴求。 |
※青色の意味:肺炎を患う子どもたちは呼吸が困難となり蒼白となってしまいます。この事実を理解していただくために活動カラーに青色を使用しました。
肺炎撲滅に向けたセーブ・ザ・チルドレンの活動は今後さらにご紹介していきます。