セーブ・ザ・チルドレンは、ヘルスワーカー(医者、看護婦、助産などの医療従事者)不足の問題と解決策についてまとめた最新の報告書『全ての子どもに保健医療を届けるために』(No Child Out of Reach)を発表し、世界で少なくとも3億5000万人に上る子どもが、一生のうち一度もヘルスワーカーに診てもらえない現状を変える必要性を訴えます。
アフリカやアジアなどの途上国におけるヘルスワーカー不足の影響は深刻で、多くの子どもたちが肺炎や下痢など、比較的容易に治療可能な病気にかかっても、ヘルスワーカーより適切な治療を受けられないことが原因で命を落としています。
世界中の疫病の4分の1がアフリカで蔓延しているにも関わらず、その地域に住む子どもたちがアクセスできるのは、世界のヘルスワーカーのわずか3%にすぎません。WHO (世界保健機関) によると、人口1,000人あたり2.3人のヘルスワーカーが必要だとされていますが、その水準を下回るナイジェリア、エチオピア、リベリアなどの国に住む子どもたちは、十分にヘルスワーカーが確保されている国と比較すると、5歳になる前に亡くなる危険性が約5倍にもなっています。
今回の報告書では、ヘルスワーカー育成への資金投入に比例して子どもの死亡率削減に成功したバングラデシュやネパールを例にあげながら、ヘルスワーカーの拡充は強い政治的意志と資金投入により実現可能であるとしています。
また、ヘルスワーカーに関する主要課題として、以下の5点を挙げています。
ヘルスワーカーの拡充は、乳幼児および妊産婦の死亡率の削減、疾病の蔓延の防止などとも深く関連しており、国際社会をあげた取り組みが求められる緊急の課題です。
セーブ・ザ・チルドレンはニューヨークで開催中の国連総会において、世界が直面する350万人のヘルスワーカー不足の問題の解消に向けて、一刻も早く必要な資金を投入するよう訴えかけていきます。
* 報告書『全ての子どもに保健医療を届けるために』(No Child Out of Reach」の詳細は以下をご参照ください
英語全文:No Child Out of Reach報告書(英語全文).pdf
要旨和訳:No Child Out of Reach報告書(要旨和訳).pdf
(c) photo: rachel palmer/save the children
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