今回は、セーブ・ザ・チルドレンが2010年5月に発表した「母親になるのに最も適した国ランキング」で160カ国中159位となったニジェールを特集します。
セーブ・ザ・チルドレンの配布センターで子どもに食事を与える女性(撮影:Anna Kari)
【ニジェールの子どもたち 基礎情報(2008年現在)】
栄養不良の検診を受ける生後7か月の赤ちゃん(撮影:Tugela Ridley)
ニジェールでは、干ばつや未発達の農業システム、人口の増加、貧困などに起因した食糧危機が慢性的かつ構造的に発生しています。また、この10年間で状況は改善されつつありますが、医療サービスの不足も問題となっています。子どもは2歳までに栄養不良を経験すると心身の発達に大きな影響を受けることから、これらの問題は大きな課題となっています。
2000年9月に国連ミレニアム・サミットにおいて合意されたミレニアム開発目標には、2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の3分の1に削減することを掲げられています。上述したニジェールの状況は、このミレニアム開発目標4を達成するには、未だ遠い数値となっています。
2010年5月現在、ニジェールでは、雨不足による生産量の激減と食糧価格の高騰により、例年にも増して深刻な食糧危機が発生しており、120万人の子どもたちが栄養不良のリスクにさらされています。また、これから突入するマラリアの流行時期とあいまって、子どもの死亡率がさらに高まる恐れがあります。セーブ・ザ・チルドレンは、この危機に際し、ニジェールの子どもたちおよびその家族に対して、食糧・生計支援や栄養・保健事業を行っています。特に、栄養・保健事業では、5歳未満の子どもの死亡率を削減することを目指し、子どもや出産期の女性に対して質の高いヘルスケアの提供を行うとともに、コミュニティや政府当局の参画を積極的に促進することで、中長期的な子どもの死亡率削減につながることを期待しています。
深刻な栄養不良に陥っている生後14か月の子どもを不安そうに抱える母親(撮影:Anna Kari)
【知っていますか?ニジェールってこんな国】