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〜日本子ども虐待防止学会にて〜

日本
(公開日:2026.01.14)

【活動報告】子どものセーフガーディングの更なる推進のために
〜日本子ども虐待防止学会にて〜

 
2025年11月15、16日の2日間、札幌市にて開催された「日本子ども虐待防止学会第31回学術集会ほっかいどう大会」にてシンポジウムを開きました。 
この学術大会は、子ども虐待防止に取り組む幅広い分野の研究者や実践者が一堂に会する「日本子ども虐待防止学会」が開催したもので、セーブ・ザ・チルドレンも学会の一員として活動しています。今回は、初めて「こどもの権利」が大会テーマとなった意義深い大会となりました。
 
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもが日常を過ごす家庭以外の場で起きる、「支援者による虐待や不適切行為」の予防、防止への取り組みが不十分である現状を重く受け止めてきました。こうした背景から、長年にわたり実践してきた、子どもの虐待予防に向けた組織的な取り組み『子どものセーフガーディング』を、学会の場を通してより多くの方に知ってもらうことを目的に行いました。
  (子どものセーフガーディングについて詳しくはこちら) 



テーマ 
日ごろからセーフガーディングに力を注いでいるさまざまな団体の中から、今回は、児童館等を運営する団体や、スポーツ分野で取り組む団体とともに、「支援者による虐待や不適切行為の防止と対応〜保育、スポーツ、NPO等のセーフガーディングの実践から〜」をテーマに、実践例とそこから得た学びを共有し、議論の喚起を試みました。 
 
各団体からの発表 
開催地の札幌市からは、職員数2,000人を超える子ども支援の中核的団体、さっぽろ青少年女性活動協会が登壇しました。日々の活動における子どものセーフガーディングの取り組みは、北海道だけでなく、全国の児童館の中においてもモデルとなる団体です。
 さっぽろ青少年女性活動協会からは、行動規範の策定メンバーを募り、現場の声を反映した「子どものセーフガーディング行動規範」を策定し、年間20回以上の研修や、新入社員への必須研修を通じて組織全体に浸透させているとの実践紹介がありました。研修受講者は年間500人を超え、価値観の違いや受け入れの難しさもある中、「子どもへの不適切行為を許さない」という強い信念のもと取り組みを続けています。こうした啓発や学びによって、子どもに関わる大人たちの意識が向上し、さらには、子どもたちにとって「自分らしくいられる場所」が増えていくことにつながっていく、と提言しました。今後も組織内にとどまらず関連団体、地域社会を巻き込んだ活動を進めていきたいと報告しました。

続いて、スポーツ界からスポーツハラスメントZERO協会が登壇しました。この団体は、スポーツ界をはじめとした各界の著名人の賛同を得て、スポーツ界におけるハラスメントゼロを目指し、活動を進めています。スポーツハラスメント検定やセーフガーディング検定(セーブ・ザ・チルドレンがテキストに寄稿)を実施し、受検するスポーツ関係者に目に見える形での意識向上を促す取り組みのほか、ハラスメントをしてしまった人に対する現場復帰支援を行っていることも着目すべき特徴です。加害が起きるのは個人だけの問題だけではなく、その環境や組織風土の課題でもあるととらえ、改善への取り組みを包括的に行っていることを発表しました。 

最後に、セーブ・ザ・チルドレンからは「国内外におけるセーフガーディング促進における学びと提言」をテーマに、これまで多くの団体への研修や伴走支援を行った経験から見えてきた課題を発表しました。 
日本では、セーフガーディングの取り組みがまだまだ浸透しておらず、あっても形骸化しやすい現状があります。さらに、スタッフ等の不適切行為に関する予防や相談体制が未整備な団体が多く、また、現場の倫理的判断がスタッフ個々人の価値観や経験値に大きく依存したままであることも課題です。
支援者による虐待に対する問題意識は依然として低く、熱心な団体だけが取り組んでいる現状は非常に遺憾であり、この学会のネットワークを通じて、新たな広がりを期待するとういメッセージを送りました。 

 

シンポジウムを終えて
当日は、開催最終日の最終時間にもかかわらず30人を超える参加がありました。「子どものセーフガーディング」はもちろん、スポーツを取り上げる唯一のセッションとして高い関心が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。 
セーブ・ザ・チルドレン、そして、そのスタッフが長年徹底して実践してきた「子どものセーフガーディング」が、社会に広がりつつあることを感じる一方、さらなる浸透の必要性と、それを進めていく私たちの責任を強く認識する機会となりました。
 
子どもたちが安心・安全に過ごせる環境をつくることは、私たち大人の責任です。
セーブ・ザ・チルドレンは、ますます不可欠となる虐待防止を更に推進していけるよう、今後も全力で取り組んで参ります。 
 

 

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