セーブ・ザ・チルドレンとは

子どもの権利条約

1. セーブ・ザ・チルドレンと子どもの権利

エグランタイン・ジェブ

「私は私たちが子どもたちのために具体的な権利を要求、それらの権利が世界中で承認されるように努力しなければならないと信じています」
(エグランタイン・ジェブ、1922年)

「子どもの基本的人権を否定し続けるような世界では、子どもが幸せに、健康で安心して子どもの時期を過ごせるようすべての子どもの権利を擁護しなければならないのです」
(セーブ・ザ・チルドレンのビジョン・ミッション・価値観に関する声明、1997年)


セーブ・ザ・チルドレンは、創始者であるエグランタイン・ジェブが子どもたちに関わる先駆的な活動を始めて以来、100年に渡って子どもの権利を実現するために全力を注いできました。エグランタイン・ジェブは、セーブ・ザ・チルドレンが現場で行っている実践的な活動への幅広い支持は、大人が子どもに対して義務を負っているという人々の認識を高めることで得られる、と考えました。

今、セーブ・ザ・チルドレンの活動のすべては子どもの権利の実現という一点に集約しています。この根拠となっているのは、18歳未満のすべての人間を対象とし、子どもの権利に関する現在もっとも網羅的な国際文書である「子どもの権利条約」です。


2.子どもの権利条約

「子どもの権利条約」は54の条項から成り、理念や様々な種類の権利、そしてその監視と実施に関する仕組みを明確に定義しています。全ての子どもが持つ権利について詳述した41の条項は不可分であり、市民的権利と自由、家庭環境や代替的なケア、健康と福祉、教育、余暇、および文化的活動、そして特別の保護を必要とする場合の措置(例えば児童労働、人身売買、少年司法や性的搾取)を網羅しています。
「子どもの権利条約」では4つの基本理念がその精神を具現化しており、それは他の全ての権利を解釈する上での基礎となっています。これらの理念はセーブ・ザ・チルドレンの活動にあまねく反映されています。

子どもの最善の利益(第3条)
−子どもに関わる全ての活動において子どもたちの最善の利益が第一に尊重されなければならないことを定める

生存と発達の権利(第6条)
−子どもたちの生存と発達の権利を最優先するだけでなく、子どもの性格・才能・能力を含むすべての側面において最大限の可能性まで発達する権利をも優先させる

あらゆる差別の禁止(第2条)
−子どもの権利があらゆる種類の差別、例えばジェンダー・障害・民族・宗教や国籍に基づいた差別なくすべての子どもに適用されることを定める

子どもの参加(第12条)
−子どもに関するどのような事柄においても子どもの意見が聞かれるべきであり、子どもたちの意見は年齢と成熟の度合いに従って然るべき配慮がなされるべきであると定める

「子どもの権利条約」によって、完全な権利を備えた人間としての子どもの地位についてより深い議論が促進されました。それは“困難な状況にある子ども”や“周辺に追いやられた未成年者”あるいは“失われた世代”といった事柄に重きをおいていた過去の概念を超えて、子どもの問題全体に政治的な配慮をより多く払うように向かわせるものです。セーブ・ザ・チルドレンは「子どもの権利条約」について次のように考えます。

  • 「子どもの権利条約」はすべての子どもに影響を与える法律、政策、実践を評価するための国際的に合意された最低基準である
  • 同条約は子どもの権利を実現するため、より豊かな国が発展途上にある国を支援する義務という共通の枠組みを通し国際協力を推進するものである
  • 同条約はジュネーブに設置された委員会を通じて監視する手段を提供する。この委員会は子どもに関わる政府の行動に対して政府に責任を負わせるものであり、NGO等が政府の主張を確証したり異議を唱えたりする役割を強化するものである
  • 能動的な権利主体としての子どもの、肯定的で楽観的なイメージを促進する

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